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「うん。恋愛小説。」
「へぇー、愁って恋愛小説も読むんだな!ミステリーが好きなのかと思ってた!」
「俺も恋愛小説は今回初めて読んだよ、高崎先生初の恋愛小説だしね。…でも、光輝が思ってるような純粋な恋愛じゃないよ。」
「そーなの?」
「うん。ね?明」
愁が明に同意を求める。
「そうだな、俺も恋愛はしたことないけどこの小説にある恋愛は普通とは違うと思った。」
「えー!どんな恋愛なの??」
「光輝、やけに興味があるみたい…」
愁が光輝を見ながらそう言った。
「だって!恋愛とかそーゆー話この3人でした事ないじゃん!!俺そーゆーの聞くのも話すのも好きなんだ!!」
「でも…恋愛って言っても小説の中の話だよ?」
「いーの!いーの!俺は今、恋愛に飢えてるの!早く聞かせてよ!明!」
愁がそう言っても光輝は引き下がらずに早く聞かせて!と目をキラキラさせながら明の方を見た。
「んー、主人公の男と相手の女は幼馴染みで仲が良かったんだけど、ある日女の人は行方不明になっちゃうんだ。でも数年後、遠い街で偶然見つけてまた親密になっていく。2人は愛し合うんだけど、ある時女の人が幽霊だってことに男は気づくんだ。」
「ゆ、幽霊?!え、死んじゃってたの??」
「うん。それで結局男の人も死んで、幽霊になって2人は永遠に結ばれた。っていうストーリー」
「え!男の方も死んじゃったの?なんか普通の恋愛と違う!」
「高崎先生の書く小説だからね。」
と、愁が言った。
愁は高崎明彦(あきひこ)先生が出している小説を批評したことがなく、全ての作品を愛している。俺も高崎先生の作品はよく読んでいるが、全てが好きというわけでもなかった。
「登場人物2人が死んじゃうのって、バッドエンドじゃない?」
光輝が愁にそう言うと、
「そんなことない。死んだとしても2人は永遠に一緒になれたんだから、ハッピーエンドという解釈もできる。」
「えー?そうかな??案外愁ってロマンチックな考え持ってるんだね」
光輝がニヤニヤしながら茶化すと愁が少し怒ったように
「うるさい。」と一言、プイっとそっぽを向いてしまった。
ごめーん!と言いながら光輝は愁に抱きついたが、その顔は本気で謝ってるとは思えない程ニコニコしていた。
コホンっと一つ咳払いをして愁が、
「明はこの最期をどう思った?」
と、問うた。
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