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魔法魔術講座2
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そこまではまあ良いのだが、講師役を務めるのがグレイだというのには少年も驚いた。
冠位錬金魔術師などという大層な肩書を持つ人物に教わるなど畏れ多いと、謹んで辞退しようと思ったのだが、張本人であるグレイに許して貰えず、結局こうして大人しく講義を受けることになってしまったのである。仕事の都合で今回滞在できる期間は四日ほどしかないのだが、どうやらグレイはその短期間で、ある程度の知識を叩きこむつもりのようだった。あまり頭の作りに自信がない少年はとても不安だったが、来てしまった以上は頑張るしかないだろう。
「お前、魔術はおろか魔法についてもほとんど知識がないんだっけか?」
「あ、はい……。魔法は適性がないと使えないものだってことくらいは知っているんですが……。すみません……」
この少年は、興味がないことに対する知識はとことんないのだ。しかし、魔法に関する知識はこの大陸では一般常識のようなものだろう。その一般常識を知らないというのは申し訳なく、思わず謝ってしまった少年に、グレイは少しだけ顔を顰めた。
「別に謝らなくて良い。今から覚えりゃあ良いんだから。なるべく初心者にも判りやすいよう、簡単に説明するが、それでも判らないことがあったらその都度言えよ。判らないことをそのままにしてると、余計判らなくなるからな」
そう言ってから、グレイが黒板に文字を書きながら話を始める。
「お前もなんとなく知ってるみたいだが、魔法ってのは生まれ持っての才能ですべてが決まる能力だ。生まれつき、どの精霊にどの程度気に入られているかで、使える魔法と、魔法発動によって消費する魔力が概ね決まってる。……魔力ってのは判るか?」
「ええと、魔法を使うときに必要な力、としか……」
自信がなさそうな少年にグレイは、まあそんなところだと頷いた。
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