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魔法魔術講座8
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「……なんだか、ものすごく適当なんですね……」
魔法と言えばこの大陸の主たる力なのだから、もっとしっかりと決まっているものだと思っていたのだが。
少年の呟きに、グレイはわざとらしいため息をついてみせた。
「やっぱお前もそう思うよな? この大陸の人間は、魔法を特別なものだと思ってねェんだよ。だから、いちいちそれに対して細かいことを決めようなんて思わなかったんだろうな。中級くらいまでの魔法だったらほとんど誰もが使えるものだし、上級以上の魔法なんて戦にでもならない限りそうそう使う機会もねぇしで、魔法というものに対するそもそもの理解が全然追いついてねぇんだ。理解してなくてもできちまうから」
精霊にお願いすればなんとなくなんとかなってしまうもの、程度にしか捉えていないのだろう、というグレイの言葉に、少年はぱちぱちと瞬きをした。
なるほど。自分やグレイのような人間からすれば非日常に見える魔法だが、それが当たり前なこの地では、わざわざそれに対する知見を深めようなどという考えは浮かばなかったのだろう。
「こんな感じで腹が立つほど適当な魔法だが、一応、ある程度しっかりとした定義に基づいた区分もある。魔法の等級は、下から初級、中級、上級、超級とあって、ここまでは本当に適当だ。でもまあ、超級魔法が使えりゃ、各国の国王に及ばずとも遠からずっつった実力者って認識で良いだろう。だが、その上に存在する、極限等級ってのには明確な基準がある」
その等級は少年も聞いたことがあった。確か、赤の王が帝国の竜を退けた際に使っていた魔法が極限魔法と呼ばれていた筈だ。
少年の表情から察したのか、グレイが頷いて見せた。
「うちの王様がこの前使ったのが、この極限等級の火霊魔法だ。極限等級の魔法は、火、水、風、地の属性にひとつずつしかない。そして、この魔法を使えるのは、それぞれ、赤、青、緑、橙の国の王のみだ」
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