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魔法魔術講座20
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「ところで、ヴェールゴールの国王陛下がいらっしゃったということは、ロイツェンシュテッド帝国について何か進展があったということですね?」
「恐らくはな。ヴェールゴール王はロイツェンシュテッド帝国へ偵察に赴いていた筈だ。それが今こうしてここにいるということは、向こうでの偵察活動が終わったということだろう」
「偵察が終わったら真っ先にグランデルに来て欲しいとお願いなさったのですか? また勝手なことをされましたね。銀の王にバレたら大目玉でしょうに」
「なに、怒られたなら謝れば良いだけの話だ。エルエンデ王は確かに庶子嫌いでいらっしゃるが、それと政治とを混同するような愚かな王ではないよ」
そう言って笑ってみせた王は、次いで少し思案するような表情を浮かべた。
「しかし、少々気がかりだな。帝国の偵察にはもう少し時間を要すると思っていたのだが、予想以上にヴェールゴール王の帰還が早い。……もしかすると、向こうで何かあったのやもしれん」
「何か、と仰いますと」
「彼の王は、王であると同時に大陸一の暗殺者だ。そのヴェールゴール王が早期離脱するということは、暗殺者として何か感じることがあったのではないだろうか。……まあ、それもこれから話せば判ることだ」
そう言い、赤の王は国賓、ヴェールゴール国王の待つ来賓室の扉を叩くのだった。
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