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インターを下り数分、長岡の運転する自動車が速度を落とした。
こんな交通量の多い道路の近くなのかとくりくりした目を大きくした。
こんな場所では出入りしているのが見られてしまうのではないかと心配になってくる。
肩に力が入り細い身体を縮め、あまり見られないように努めるのには理由があった。
それは、今から"ラブホテル"に入るから。
そして、その相手が元担任だからだ。
三条が暮らす緑の多い町では地区の端にポツンと城が建っているだけ。
それがこの辺りではこんな人目のありそうな場所にあるなんて驚きだ。
同性同士でのホテル入室は注意を引く。
それも好奇のもの。
気持ち悪いったらない。
だが、それより元であっても教師と生徒の関係の方がリスキーだ。
恋人は現職の教員。
三条もその職を目指している。
SNSに投下されればどうなるかは考えたくない。
「見られねぇようになってるから大丈夫だって」
「でも……」
ラブホテルを利用出来る年齢にはなったが、恥ずかしさもあるし緊張する。
緊張して当たり前だ。
だって、セックスに特化した場所だ。
いくら女子会プランが充実し女の子達もカジュアルに入れる様になったと言っても、大半の人は性行に使う。
体温が上がっていくのが分かる。
「なら、キャップしっかり被っとけ。
監視カメラに顔が映らねぇ様にしとけば少しはマシだろ。
あと、此処カレーうどん美味いから一緒に食おうな」
「かれー、うどん…」
美味しそうな名前に漸く顔を上げると、安心させる様に優しく声をかけてくれた。
「楽しみだな」
「はい」
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