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カシュッと小気味良い音と共に開栓されたアルコールの缶をぶつけると、長岡は綺麗な笑顔をむけてくれた。
ドキッとするのは此処がラブホテルだからじゃない。
本当に顔の良さを理解していない恋人は危険だ。
喉仏が上下するのでさえ、えっちぃ。
場所のせいもあってよりそう思ってしまう。
やましい想像をふり払うように三条もアルコールを喉へと流し込んだ。
飲んでいると隣から痛い程に視線を感じる。
えっちだなんて思っていた事がバレたなんて事はないと思うが、なんだろう。
「…あの、なにか…?」
「いや、本当に飲んでんだなって思って。
だってこの間まで未成年だったろ。
A組も飲めるようになるなんて感慨深けぇな」
「先生みたいです」
「本物だって。
でも、はじめてのクラスだったからな。
特別だよ」
“特別”
そう言って貰えてとても嬉しい。
A組の事だと分かっていてもだ。
田上や吉田、知佳ちゃんに未知子ちゃんも含まれている。
クラスメイト達は皆良い友達だ。
そんな友達を“特別”と褒められるのは誇らしくて嬉しい。
頬を緩めると隣から大きな手が伸びてきて、その指が頬を撫でた。
「その顔はまだ子供だな」
「もう20歳ですよ」
「大人?」
「…法の下では」
「そんな子とセックス出来んのか。
燃えんなぁ」
一笑した、その顔の良さはやっぱり艶やかで危険だ。
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