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放課後の教室は様々な会話で満ちている。
部活へ行こうと誘ったり、塾だと愚痴たり。
早く帰宅してダラダラしたい生徒も。
そして、三条達も同じ。
「三条。
さっき言ってた本、家に取り来るか?」
「え、良いの…?
明日でも良いよ」
「ついでに他の本も見てけよ。
好きなの借りてって良いし。
なんか用事あるか?」
同級生の長岡が鞄を手に此方にやって来る。
見慣れた制服。
見慣れた顔。
だけど、何度見てもきゅんっとする。
それを“友人”の顔で隠し、“恋人”にしか分からない表情の変化にドキドキしつつ頷いた。
そうと決まれば早く行きたい。
いや、行きたいというより2人きりになりたい、の方が正確だ。
なにせ学校ではただのクラスメイトとして接している。
早く恋人として隣に居たいと思うのは当然だ。
鞄に筆記用具を詰めてそそくさと帰宅の準備を済ませた。
「コンビニでお菓子買ってこ。
蓬ちゃん達にもおやつあげて良い?」
「良いよ。
ほんと律儀だな」
「お菓子はいるだろ。
柏くんとも蓬ちゃんとも、もっと仲良くなりたいし」
鞄を手に三条は“クラスメイト”と共に教室を後にする。
「長岡、三条、また明日な」
「また明日」
「おー」
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