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「お前、何勝手に帰ってんだよ、危なく見つかるとこだっただろ」
次の日、
夕方になる頃、俺は大学構内のフリースペースで、次の講義の時間を待っていた。
いくつかあるテーブルとソファは、同じ様に待ち時間を過ごす生徒でまばらに埋まっていた。
そこに顔を出した真木に、
既読無視したラインの内容とすっかり同じ文句を直接言われた。
「…自業自得じゃん」
「うるせぇな、ラインは既読無視するしよぉ」
「アホらしくなったから帰ったって返せば良かった?」
「何だよ、冷てぇな」
たいして思ってもないくせに。
ソファに座りスマホをいじっていると、真木が詰め寄る様にして言った
「おい、目ぇ見て話せよ、シマぁ?」
「…っるさいな…」
不機嫌を隠さない俺に構いもせず、顔を覗き込む様にして続ける
「お前今日、この講義の後、暇?」
「…なんで?」
「家来いよ、飲みに。」
飲みに、という言葉に釣られて見上げると、いつもの三白眼と目が合った
「一応約束だしな、酒奢ってやるよ。」
その目を見た瞬間、準備室の光景が頭に浮かんで、
すぐに目を逸らした。
いつもの香水の匂いに、それ以外の何かが見え隠れする様な気がして、俺は曖昧な返事をしてうなずいた。
グラスに注いだ炭酸が、弾けて音をたてる。
ガラステーブルの上に、所狭しと並べられた缶チューハイ、缶ビール、おつまみにスナック菓子。
足元にはウィスキーの瓶と炭酸水
コンビニで、全部、あいつに買わせた。
俺はソファを背もたれにして、床に胡座をかいていた。
向かいに座った真木が、テーブルの缶ビールに手を伸ばす。
「そういえば、今日、駒場と芳賀は?」
2杯目のハイボールに口を付けながら言った言葉に、真木が何本目かの缶ビールを開けながら答えた。
「合コンで知り合った女と飯食いに行くんだと。」
「あいつら2人とも?」
「3Pに持ち込めるかもしれねーってホクホクしてた。」
「女1人かよ…2対2なのかと思った」
ウキウキする駒場と芳賀が目に浮かんで思わず吹き出した。
「そういや、お前さ」
「え?」
自然な問いかけに普通に返事をすると、事も無げに真木が続けた。
「俺のセフレが男だったの、特に何とも思わなかった?」
「……は?」
話の方向を急に変えられて、咄嗟に言葉が出なかった。
ーこいつ、やっぱり気付いてた
あの時の、口角が上がった顔をまた思い出して、体温が上がるのを感じた。
「……合コン行って、なんで男のセフレが出来るのかは疑問だけど、男って事自体は別に」
「あっはは、まぁ、あんまり男女関係ねぇから、俺。お前なら全然イケそう。」
そう笑って缶ビールを口にする真木の、上下する喉仏がやけにいやらしい動きに見えて、誤魔化すようにグラスを口にした。
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