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二つ目は、〝感覚〟。
その日の夜も、俺は真木の部屋にいた。
ゲーム機と繋がった画面から流れる軽やかな音楽は、結構前からCMで流れていた物と同じで、画面に広がる映像も見覚えがあった。
作り込まれたOP映像に続いて、キャラクター選択画面に移る
ギシ、と床の軋む音がした瞬間、後ろから伸びた手が、ゲーム機本体の電源ボタンを押した。
「っ…ぁ…ちょっ…!っ今始めたばっかなのに……!」
フローリングに胡座をかいて、コントローラーを片手に缶チューハイを飲んでいた俺を、真木が急に羽交い締めにしてきて、思わずその腕を掴んだ。
「手ぇ邪魔」
「…っるさい…、!ゲームするっつったじゃん…」
強く言ったつもりなのに、口からは弱々しい声しか出なかった。
「ゲーム?すんの?下こんなにして?」
真木にそう言われて、自分の体が熱を持ち始めている事を自覚して、顔までカッと熱くなる。
「お前、抱き着かれただけで勃たせてんのかよドスケベ」
「っ……はぁ?!お前が触るからだろ!」
「俺?俺に触られただけでこんなになんの?」
「っあ!…」
ふーん、と鼻で笑って、俺の物をスキニーの上から擦る。
「早く脱いだ方がいいんじゃね?汚れて履けなくなるぞ。」
耳元でそう言われて、背筋が震える。
体が、覚えてしまった快感を期待して勝手に熱くなる
動く度に鼻をかすめる真木の香水の匂いに、
ふと、何故か急に、
浅科さんの、清潔なシャツの匂いを思い出した。
「っ……!」
「っ何だよ急に」
思わず全力で押し退けた俺に、真木が驚いた顔をした。
「……帰る」
「はぁ?そんなに勃たして何言ってんだよ。それで外出たら捕まるぞ。」
「…大丈夫、帰る」
「何訳分かんねぇ事言ってんだ、いいからさっさと脱げよ」
床に倒されて、無理矢理ベルトに手をかけられる。
「…っ、嫌だ」
「こんなにしといて良く言う」
はっ、と吐き捨てる様に笑った真木が、俺のスキニーとボクサーパンツをまとめてずり下げる。
自分の物が、勢い良く勃ち上がるのが分かって顔を逸らした。
「これでも帰るか?あ?」
笑いの混じった冷たい声にも、体はただ熱くなる一方で、
俺は腕をかざして隠した顔を、横に振った。
何故か、急にあの人を思い出す様になった。
それは、いつもの面々で笑っている時だったり、こうして真木と後ろめたい暇つぶしに耽っている時だったり、
いつも急に、ふいに思い出した。
なんとも言えない感覚に戸惑う事しか出来なかった。
それが、二つ目の変化だった。
「っあ、あっ…あっあ、…」
後ろから揺さぶられる度に、抑えられない声が漏れる。
ギシギシと軋む床に、俺の物から垂れ落ちる体液
背中に感じる、真木の熱くて荒い呼吸。
「お前、何にそんなに、…興奮してんの?」
「…あっ…ん、んぅ……!っ」
グリグリと抉る様に腰を動かされて、せり上がって来る波の様な快感に呻いた。
真木の声も息が切れていて、荒い吐息混じりだった。
「なんか、すげぇんだけど…中。」
「っ、…ひ!あぁ…あー、っ…」
ここ、と示すようにある場所を強く擦られて、悲鳴に似た声が漏れる
頭が真っ白になる
息が苦しい
腕も、腰も、膝もガクガクして体を支えられなくて、床に這いつくばって耐える
「……っすげ…、締まる」
「…っうっ…う、んぅ…」
真木が、息を乱れさせて背中に覆いかぶさって来る
ぐい、と頭を引っ張っられて、振り向かされ、唇を荒々しく塞がれた。
ただでさえ苦しい体制なのに、そのまま激しく腰を打ち付けられて、声も出せず、息継ぎもろくに出来ず頭が破裂しそうになる。
強く瞑った目から生理的な涙が滲む。
あの人の顔が脳裏に浮かんだ瞬間、
一際強く腰を打ち付けられて、耐えきれない波に体を震わせて吐精した。
すっきりしてしまうと、途端に羞恥心が戻って来て、猛烈な恥ずかしさと後悔に似た気持ちに頭を抱えた。
何やってんだ俺
何、考えた…?
何であの人の顔を、思い出したんだ
何で……ー。
「何やってんのお前、邪魔」
風呂場に行った真木が、肩にかけたタオルで髪を拭きながら戻って来て
床にうずくまって頭を抱える俺に言った。
「…っるせぇな、分かってるよ!」
段々、恥ずかしさが振り切れてイライラに変わってくる。
それを真木にぶつける様に言って、風呂場へ向かった。
ボディーソープをがむしゃらに泡立てて、何度も体中を洗った。
泡と一緒に何もかも流れたらいいのに、
そんな事を思って、自分でも馬鹿馬鹿しくなって頭からお湯を被った。
風呂場から出ると、電気もつけっぱなしの部屋で、真木はベッドの布団で寝息をたてていた。
俺はパーカーを羽織って、カバンを手にすると、部屋の電気を消した。
腹いせに鍵を開けっ放しにして帰ってやろうかと思ったけど、
たいして真木のダメージにはならないな、と思い直して、鍵穴から抜いた鍵を、ドアのポストに入れて、その部屋を後にした。
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