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「……っ…?!っ…」
一瞬、訳が分からず、床に滑り込みそうになって、全力で足を踏ん張った。
背中の痛みと、その状況で、自分が蹴り飛ばされた事に気付いて振り向くと、
ジーンズのポケットに両手を突っ込んで、つまらなそうにこちらを見ている真木の姿があった。
その姿を見て、全て腑に落ちて、
まんまと騙されてここまで来た自分に、どうしようもなく腹が立った。
「何、お前、マジで来たのかよ、頭悪ぃな。」
鼻で笑ってそう吐き捨てながら、真木がこちらへ歩いて来る。
バタン、と重い音をたててドアが閉まって、
俺は、そこにお互いしかいない空間が出来上がった事に身構えた。
「俺のラインは未読無視するクセに、芳賀のなら読むのかよ、ひっでぇ奴。」
「……っ、いきなり何すんだよ、」
「来る方も来る方だろ、馬鹿じゃねぇの」
「っ…るせぇな、ずいぶん面倒な事するんだな、…わざわざ芳賀のスマホから打ったのかよ」
真木が目の前まで来て、顔を覗き込む様にして低く呟く
「お前、俺を馬鹿にしてんのか?」
「意味が分かんねぇよ」
「今謝れば全部許してやるよ」
「何で俺がお前に謝る必要があるんだよ」
そう言った瞬間、髪を鷲掴みにされて、引き寄せられる。
「っ…いっ……!」
「謝ってさっさと脱げ」
「…はっ…?脱げ…?馬鹿はお前だろ…」
ギリギリと更に強い力で髪を掴み上げられる。
「何度も同じ事言わすなよ、なぁ。」
「……離せ、」
俺を掴み上げるその手を両手で掴んで、爪をたてる
それが、今出来る精一杯の抵抗だった。
「なぁ、お前、大好きだろ?ケツに突っ込まれんの。」
「……っるせぇな…」
「オナホのクセに何、今更真面目ぶってんだよ」
「……は、ぁ…?」
「金ヅルになる便利なオナホだろ、お前。だから構ってやってんのに、何勘違いしてんだよ。」
「…っふ……ざけんな…!…誰がっ…!!」
その単語に、体が震える程の怒りが込み上げて、思わず歯ぎしりをして歯を食いしばった。
それを真木が冷たく下ろしている。
「謝れ」
「……嫌だ。」
そう言った瞬間、俺は何が起こったのか理解出来なかった。
顔に物凄い衝撃があって、次の瞬間には全身に衝撃と痛みが走って、激しい物音が鳴り響いた。
「っ……つ…ぅ…」
鼻で上手く呼吸が出来ない。
むせて咳込むと、生暖かい感触が鼻から口元へ伝って、口の中に鉄の味が広がる
肩や脇腹にゴツゴツした物が当たっている
目を開けると椅子や古い机が倒れていて、俺はその上に倒れ込んでいる事に、ワンテンポ遅れて気が付いた。
起き上がろうとした目線の先に、真木が屈みこんで、
再び俺の髪を鷲掴みにした。
「…っ…う…っ」
「役に立たねぇんなら価値ねぇんだよゴミクズ」
そう吐き捨てられて、勢いよく机に頭を打ち付けられた。
痛みに、気が遠くなりそうになる。
「……っ…言われなくても…そんな事は分かってる…」
絞り出す様にそう言ったのとほぼ同時に、乱暴な音をたててドアが閉まった。
俺は机やら椅子が散乱する準備室で一人、込み上げる嗚咽を意地で飲み込んだ。
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