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……どうしよう。完全に見られた。
多分写真も、撮られてる。
……逃げられる?
無理だ、捕まる…。
辺りを見ても何も無い、平坦な道と、下校途中の高校生。
……この制服姿も、見られているから通報されたら終わりだ。
ちらりと男の様子を見る。
僕よりもかなり身長が高い。170後半、もしかしたら180センチあるかもしれない。
整った目鼻、優しげな顔立ち。髪はサラリとした短髪を後ろに流している。
グレーのスーツに、淡いピンクのネクタイ。
……最悪だ。
見た目は爽やかそうなイケメンなのに、中身はどうなってるのか分からない。
僕と同じ。
「そこ、入ろうか」
「……はい」
あの雑貨屋から歩いて少しした所にあるカフェに連れてこられる。
「お次の方どうぞ〜」
「キャラメルフラペチーノ、生クリーム増し増しでキャラメルソース多めに」
……甘党?
男の注文した内容だけで、口の中が甘ったるくなる。
「君はどうする?」
「……アメリカンコーヒー」
「以上で。カードでお願いします」
にこ、と笑った男の顔に、店員が見惚れているのがわかる。
「あの……ポイントカードはお持ちですか?」
「ないです。会計お願いします」
……そんなにがっちり腕を掴まなくたって、もう逃げないのに。
男は注文する間も、僕の腕を離さなかった。
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