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係決め
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「今日だけ朝読書ナシでクラスの係決めするぞー」
怒涛の入学式翌日、てっきり朝のHRの前は読書時間かと思っていたが今日は係決めをするらしい。クラス委員とか代議委員とかそういうの。
担任がどんどん係の種類を黒板に書いていく。
「……」
机に両肘をついて考える。教科連絡とクラス委員だけは何としても避けたい。
教科連絡は頻繁に教師と連絡取らないといけないしノート回収配布とか絶対面倒臭い。それ以上に面倒臭いのがクラス委員。何か行事がある事にクラス委員がクラスをまとめなきゃいけない。
「──次〜整備委員〜」
担任の声掛けに次々挙手する生徒。ヤバイヤバイどうしよう。出来ればどれもしたくない。でも現実そんな上手くいかないので必死に考える。
「次〜風紀委員〜」
『二人だけのナイショだよ』
担任の声で俺の目の前で煙草に火をつけた先輩を思い出した。風紀委員!!!西田先輩いるじゃん!!!明らかダルそうだけど3年生の中に西田先輩がいるってだけで頑張れる気がする。方向音痴を克服するキッカケになるかも!!風紀委員に、俺はなる!!
「はい!」
びしっと小学生顔負けの勢いで挙手したのはクラスで俺だけ。担任は皆をぐるっと見回して俺の名前を黒板に書く。
「…誰もいないな。はい、…紀野。もう一人〜」
シーンと静まり返る教室…かと思ったら俺の前の席の静かそうな男子が挙手する。お??誰だ??
「お前は…え〜…茅野。」
茅野くんっていう名前らしい。後ろ姿は俺とそんな頭の高さ変わらないし身長も同じくらいかな?静かそうで良かった…またハセが挙手したらマジで24時間一緒に居ることになるから命拾いしたぜ…。
それからすぐにHRは終わった。放課後に早速委員会があるらしい。
ちょっと楽しみだな〜なんて思ってると勢いよく茅野くんが振り返ったので必然的に目が合う。
「あ、茅野くん、風紀委員一緒だね」
「あっ、うん、きっ、きき紀野くん!!」
「フフっ…慌てすぎじゃない?」
俺の名前を呼ぶ茅野くんはめちゃくちゃ吃っててそんなに緊張させてるかなと少し心配になる。
色白な頬が真っ赤に染まっててリンゴみたい。あがり症っぽいな。
「…ああの…風紀委員…1年間…、よ、ろしくねっ…」
「うん。こちらこそよろしく、茅野くん」
あまり緊張させないように俺史上最高の笑顔で返事する。
てか茅野くん可愛い〜〜〜〜!!!ぜって〜受けじゃん!!いや申し訳ないけど妄想してしまうわ!!!
例えるならヤンキー×いじめられっ子の受けの方。
茅野くん、ちょい前髪長めだし攻めから『お前、前髪短い方が可愛いよ』とか言われるやつやん…!!
茅野くんは最後にちょっと笑ってまた前を向く。
俺の心臓はドキドキ鳴りっぱなし。推しになりそう。もう茅野くん推そう。めちゃくちゃ仲良くなろう。そう決意して小さく気合いを入れた。
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