アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3
-
「ほらほら、食べないと昼休み終わるよ」
「あ、はい!ありがとうございます!いただきます!」
青髪先輩も自分の分は持ってたらしい。同じメロンパンを二人で並んで頬張る。チョコチップ入ってるのがちょっと嬉しい。
「美味い?」
「チョコチップ甘くて美味しいです」
青髪先輩と共にもぐもぐタイムをしていると目の前にフっと影が差す。メロンパンから視線を上げると俺の前にはヤンキー座りをする東郷先輩。全然気付かなかった。瞬間移動だ。
「おい」
「ごめんなさい」
「なんで謝る」
何もしてないけどその怖い顔と声と雰囲気に思わず反射的に謝る。俺の謝罪にもっと顔が怖くなった東郷先輩を茶化すように青髪先輩と村瀬先輩は笑ってくれる。
「陸は顔が怖いんだよ」
「それな〜いっつもオラオラぁ〜俺に何か用かアァン?って顔してるよぉ〜」
青髪先輩と村瀬先輩の言葉に小さく頷いてみる。
もうちょっとこうなんて言うの?口端だけでも上げてくれたらいいのに。昨日の笑みは何だった?綺麗な顔が台無しだよ。
「…これ、やる」
そんな東郷先輩から差し出されたのは、きのこの山。
俺はたけのこ派だしこの先輩絶対面白がってきのこの山チョイスしただろ。ちょっと笑ってるし。ここで笑うなよ。
青髪先輩と村瀬先輩もだよ。笑うなよ、止めろや。
「…早く受け取れよ」
「大丈夫デス…」
少しの意地で断ってみるとスッと真顔に戻る東郷先輩。
怖い、怖すぎる。絶対怒られる。
「星野からは受け取るのに俺からのは受け取らねぇってのかよ」
「いやいやそういうつもりじゃ!頂きます!俺たけのこ派ですけどね!嬉しいです!」
慌ててきのこの山(笑)を受け取り一応ニコッと笑う。
東郷先輩は満足そうにフンと鼻を鳴らし立ち上がった。
その時、ちょうど昼休みが終わるチャイムが鳴る。
「キノコくん迷ってたんでしょ〜?俺らが送ってあげるよ〜」
「…お願いします」
正直この三人と校内を歩いて目立ちたくないんだけど一人だと絶対迷うので大人しくお願いする。
「また『明日』な」
「じゃ〜ね〜キノコくん」
「ちゃんとご飯食べるんだよ」
「…ありがとうございました…」
ご丁寧に教室の前まで送り届けてもらってそれを見たクラスメイト達に心配されたのは言うまでもない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
13 / 27