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「ま、…って、やだ、やだっ」
「待たない。」
ジタバタと暴れる両腕をシーツに縫い付けるように押し倒して、林檎のように赤い顔を見下ろす。おそらく今の自分の顔も今同じくらい赤くなっているだろう。
体の中では、心臓が暴れている。
もしかしたら、自分も少しだけ酔っているのかもしれない。
「ねえ、今の本当?」
こんな図々しいことを聞けるなんて。
「…っ、知らない!離して!」
未だ藻掻いている桃司だが、この程度の力なら何時間でも相手にできる。
嗚呼、駄目だ。
「可愛い。」
喉の奥から溢れた想いと、だらしない笑みを隠しきれない。
「好き、好きだよ。桃司が一番好き。」
「ちーちゃんのくせに、ずるい。」
「ちゃんと答えて?」
数分間待って、やっと聞こえたか細い声の「好き」。
そんなシーンは既に何度も何度も妄想していたのに。本物の破壊力は凄まじい。
眼鏡を壊されて都合がよかった。もし今の光景がはっきり見えていたら…
桃司の瞳は赤く潤んでいて頬も薄紅に上気し、薄く開いたぽってりした唇からは熱い息が零れる。大きな男が馬乗りになっていて抵抗できない状態で、力ない「好き」。間違いなく、えっちで可愛い。
そんな場面が脳裏に浮かんできて、ぐうっと奥歯に力をいれた。
「…どうしよう。」
「なに?」
「出ちゃいそう…っ」
「ハァ!?信じらんない!!」
キスさえも交わしていないのに、パンパンに張り詰めたパンツの中身が今にも爆発しそうで苦しい。
想像だけでこんなになるなんて。
「うぅ…っ」
情けない声を漏らして射精感を乗り越えようとする姿は、数秒前まで強気で桃司に迫っていたとは思えないほど情けない。やっと思いが届いた瞬間までこの様だ。
だけど、見下ろした桃司は呆れたように笑っていて、その目があんまり優しいから。
きっとこんな僕を許してくれる人なんて世界中に君しかいないと思ったんだ。
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