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ピピピピピピピピ
けたたましく鳴り響く時計のアラーム。
モヤモヤとしたぼくの心とは裏腹に嫌味ったらしく太陽の光が差す。
アラームで桐谷くんも起きたのかパチリと目が合ってしまった。
「おはよう.......目が赤いけど大丈夫か?」
そう言われて慌てて洗面台へ立つ。
「だ、大丈夫。泣ける本読んだだけだから」
「そう?ならいいけど」
バレバレすぎる言い訳。
鏡の中のぼくはものすごく不細工な顔をしていた。
桐谷くんは特に追求する様子もなく、モソモソと布団から出ると着替え始めた。
「今日朝呼ばれてるから早めに出るわ、飯いらないよ」
「うん、分かった」
金曜の夜以来桐谷くんは以前のように話しかけてくれるようになった。
けれど今のぼくにはそれすら辛くて、なんなら話しかけないでくれと理不尽に思うほどだ。
もう、友達に戻らないと。
こんな汚い恋愛感情は捨てないと。
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