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アンティークシルバーにふち取られた漆黒の粒が、
脱衣所の引き出しの中で鈍い光を放っていた。
土曜日の22時を回った頃
のんびりと浴槽に浸かって、存分にお湯を満喫した。
いつもと変わらない週末
相変わらず片付いている部屋同様、
バスルームもシンプルで無駄な物が散らかる事もなく、家主の性格を示しているかの様。
浴槽から上がって、滴る水滴もそのままに、脱衣所へ出るとふと、気になった事があった。
脱衣所の、水道の脇のキャビネット
その引き出しが、ほんの少し開いていた。
別に、開いていて可笑しい事は何も無いのだけど。
ただ、何となく
そういえば開けた事無いな、
程度に気になった。
そして、何気なく引き出しを引いて見ると
それが、あった。
シェービングフォームの買い置きや、目薬なんかの中に混ざって、丸い缶のピルケース。
何の気も無しに、何となく手に取ると
カラリ、と軽い音がする
蓋を開けてみれば、アンティークシルバーのふち取りに、小さな漆黒の石が光っていた。
風呂場からリビングへ行くと、
ソファでコーヒーを片手に、浅科さんはパソコンを開いてた。
仕事の日よりラフな洗いざらしの髪が、軽くかかっていて、耳たぶがそこから覗いてる。
ぷくっとした一番肉厚な部分に、
小さな孔が開いている
それは前から知ってたけど、
ピアスを着けてるのは見たことが無い。
俺は、
さっき脱衣所で見付けた、小さな漆黒の石が
その耳たぶの孔を塞いで装飾されるのを想像した。
「しごとー?」
「ん?あぁ、…何か飲むか?」
問い掛けにいい、と軽く手を振ると
浅科さんは、持ち込みの仕事を確認していたらしい画面を閉じた。
近付くと、湯気と一緒にコーヒーの匂いが漂ってくる。
俺は人一人分スペースが開いた、その隣に座った。
「後回しにするけどな」
俺の肩に手を回して、笑い混じりに言ったその言葉はしばしの沈黙を呼んだ。
「そっち行くか」
浅科さんの目線の先には、隣の部屋へのドア。
俺は返事をする代わりに、肩に回された手を握った。
「ん、…っふ…」
お互いの前髪がくすぐったくて、体をよじった。
唇を舌でなぞられると、腰に痺れが走って、息苦しくなる
はぁ、と
吐き出す息が熱い。
引いた糸を舐めとった舌が、ひどく赤く感じた。
はぁはぁ、と
お互いに浅い呼吸を繰り返す。
広くはない寝室は、すぐに衣ずれと湿った音が響く。
微かにコーヒーの余韻、それに、汗と煙草の匂いが混ざる。
覆い被さって、重なる体が熱い。
あちこちに口づけ、這い回る舌が、ざらりと肌を刺激して、背筋がゾクゾクする
「っあ…、ぁ…」
首や肩口に触れられると思わず声が溢れる。
首やうなじを何度も舌が往復して、丁寧にしつこく、熱を煽られる。
焦らされる様な感覚に、堪らずに浅科さんの首に腕を回し、強く、しがみつく。
「っぁ、はぁ、は…、…浅、科さん」
「…ん、?」
「っ…もっと、…」
「…もっと、何?」
応える様に、すぐに唇が触れる
歯列を割って入り込んだ舌が、口内をなぞる。
顔にかかる息が熱い。
唇を離すと、名残惜しく唾が糸を引いた。
「…あんまり、そういう事言うな」
力いっぱい、抱きすくめられて、耳元で
熱に浮かされた様な声がする
俺も腕に更に力を入れて、隙間が無いほどくっついた。
「上、乗りたい」
「…ん、来いよ。」
浅科さんは小さく頷いて、
俺の上から退いて横に寝そべると、体に手を添えて、促してくれた。
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