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なんとか仕事を終え、帰宅したのが9時。
今日は完全に残業コースだった。
久しぶりにちゃんと夕飯を作ってやろうかと思っていたが、この時間だともう氷雨は帰ってきているだろう。
石倉さんにご飯を誘われたが、氷雨がどうしているかもわからないので断った。
そしてそのまま家に辿り着いて今。
案の定リビングの電気は付いていて、氷雨は先に帰ってきているようだった。
「ただいま」
リビングに入ると、氷雨はソファに座って台本を読んでいるところだった。
「おかえり。遅かったじゃん」
俺に気づくと台本から顔をあげ、いつもの様子でそう言った。
昼休みのあれは気のせいだったのだろうか。
「新しい案件を担当することになって。しばらくは帰るのこれくらいかも」
「さらに社畜みたいになってんじゃん」
「うるさい」
俺は氷雨の座っているソファの開いているところに鞄と上着を置いた。
そしてネクタイを緩め、それも投げかける。
「氷雨、飯食った?」
「いや、食べてない。……けど、今日はいいや」
「え?」
珍しい。
氷雨は食にはこだわる方で、なんなら大食いだ。
一食でも抜くことは許さないのがこいつなのに、「いらない」なんて。
やっぱりおかしい。
「どうした?熱でもあるのか?やっぱり具合悪い?」
そう言って氷雨の額に触れる。
熱はないみたい。
顔を近づけて表情をうかがってみるが、いまいちよくわからない。
いったいどうしたんだろう?
そう思っていたら。
「……ッ」
気づけば視界は一変していた。
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