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陳謝
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皆さんにお知らせがあります。
俺は生まれて初めて……校内をノーパンで歩いております。
「ああああっ! うわああああっ!!」
その場で頭を抱えて絶叫した。
遡ること五分前。保健室で、クラスメイトの変態に下着を強奪されるという目に合ってしまった。
『あと二時間だけだし、頑張って過ごしてね』
と言い残し、奴は俺の下着を胸ポケットに突っ込んで部屋を出ていったのだ。
数分放心状態(下半身丸出し)で宙を見つめていたが、我に返ってズボンだけ履き、廊下へ飛び出したところだ。
涙が出そう。両親に申し訳ない。これじゃ控えめな露出狂じゃないか。まさか高三にもなってノーパンで校内を駆け巡るとか! 一体誰が思いましたか?
殺す!!
あいつを殺す……それしか俺に安息は訪れない。
本当は皆に言いふらしたい。気をつけろ! あいつは(人が履いてる)下着を狙う変態なんだぞ! と。でも。
「俺あいつの名前知らないわあああ!」
再びその場で頭を抱える。マジで知らない。転校からもう三日が経つけど、名前覚えてるクラスメイトなんてあのいじめっ子達だけだ。いじめられっ子はまだいびられてるし。何もかも最悪過ぎる!! ていうか悪いけど、今イジメのことは考えられない……。
仕方ないから教室へ戻ったけど、ズボンの中がすごいスースーする。心許ない。歩く度にズボンのへりが擦れるし、ちんこにチャックが当たる。
早退しようか、とも一瞬考えた。だが下着を奴の手元に置いて帰りたくない。そんなの耐えられない。
奴の元へ駆け出そうとしたが、直前で授業開始のチャイムが鳴った。「カオナシ、次数学だそー」とクラスメイトに肩を叩かれる。
んぎぎぎぎ……。
三つ前の席に座るクソ野郎の背中。コンパスを突き刺してやりたい。しかし授業が始まってしまった為、断念して心頭滅却した。
待ちに待った六時間目の手前、小走りで彼の元へ向かった。めっちゃスースーする。
「おいっ!!」
「何?」
机を強い力で叩く。クラスメイトの注目がこちらに集まったが、そんなのどうでも良かった。今すぐ下着返せ! とは言えないので、小声で表出ろと呟く。
「言われなくても。この後体育だろ? ここは女子が着替えに使うから、俺らは別室で着替えるんだよ」
一緒に行こうと手を引かれる。でも。
「まっ……ふっざけんな! できるわけないだろ!?」
別室で、他の生徒と一緒に着替えるなんて。下着履いてないのに!!
ズボン下ろしたらちんちん公開なんて陳謝しかない。体育は具合悪いってことで休むか……。
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