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プロローグ
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「…………ん、っ……」
もう何度目だろう。
お前に犯される想像をして、自分で自分を慰めるのは。
罪悪感なんて、とうの昔になくなった。
多分、お前は恋人を大切に抱くんだろうな……
優しいキスをして、甘い声で『好きだ』って囁きながら……
分かっているよ。お前は絶対に俺を好きになったりしない。
名前を呼ばれるだけで。
笑顔を向けてくれるだけで。
――ただ幸せだったのに。
やめたいのに止められない。
お前を想うと堪らなくて……
後ろに入っている無機質なオモチャをいいところに当て、スイッチを入れた。
気持ちいい……
だけど、虚しい……
お前が好きなんだ。
彼女と別れて……
心のバランスは狂い、息が詰まりそうになる。
毎日、友達面して、理解のある振りをするのにも疲れた……
彼女の話なんて聞きたくない。
俺だけを見て――
歪な想いは形を変える。
隠しているだけで精一杯。欲を吐き出しても満たされる事はない。
「…………椿(つばき)」
囁いた好きな人の名前。
妄想の中のお前は俺を優しく抱きしめて、キスをする。
毎晩。何度でも――
悲しくて滲んだ涙。そっと拭い、唇を噛んだ。
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