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「朝日奈?」
声をかけられ、ハッとする。
落ち込んでたりしたら、俺の気持ちがバレるかもしれない。
「……ぅ……羨ましいな。イケメンは告白されて、女の子はよりどりみどりだし、ヤリ放題じゃん!」
動揺してしまい、思ってもいない言葉が出てしまう。
「…………内緒にしてくれる?」
椿が耳打ちしてきて、心臓が跳ね上がる。
急になんだよ……
近い距離に戸惑ってしまう。
「な、何を」
「…………俺、まだ童貞」
あまりの衝撃に驚く。
滅茶苦茶モテるのに、まだ童貞……!?
にわかに信じられず、呆気に取られていると、椿は照れくさそうに笑った。
「誘いは今までもあったけどね。初めては好きな子としたいし……」
「…………告白してきた子が好きなのか?」
口にしたら悲しくなって、すぐに下を向いた。
「泣きながら言われたから断りにくくて……」
まだ好きってわけじゃない……?
でも、断れないから、付き合うなんて。
一緒にいるうちに好きになったら……
モヤモヤしながら唇を噛む。
下手に付き合ったら、相手は期待する。それでも、やっぱり好きになれなかったら可哀想じゃないか。
大体、泣きながらって……
女の武器、使うなよ!
顔も知らないその子に嫉妬しても仕方ないけど――
俺だって……
――俺の方がずっと。
俺達は男同士。椿はノンケだ。
告白したら『ごめん』じゃ済まない。
気まずくて距離ができる位ならまだマシ。現場を誰かにでも見られたら、最悪、晒し者になって、卒業まで後ろ指をさされる。
それに椿は優しいから悩むだろうな……
もう笑ってくれなくなるかも……
考えるだけで胸が痛い。
「付き合ってみたら……?」
本当に俺は阿呆だと思う。
反対したかったけど、何も良い案は思いつかない。
自分の気持ちに気付かれたくなかった俺は声を絞り出した。
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