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いつの間にか、教室にはほとんど人がいなくなっていた。
そっと椿に近寄り、耳元で囁く。
「…………俺で練習してみる?」
うっかり出てしまった言葉。言うつもりなんて、本当はなかった。
彼女の惚気話ばかりするから、寂しくてイライラして――
「余裕ないと彼女が幻滅するかもよ。俺が童貞も卒業させてやろうか?」
もう、いっそ砕け散ってやろう。
『男のくせに気持ち悪い』そう言われれば、諦めもつく。
「…………お前、男いけんの? 最近まで彼女いただろ」
俺が急にそんな事を言い出して、椿はただ驚いていた。
彼女はカモフラージュ。告白され、お前を忘れたくて付き合ったけど、良い子だったから途中から罪悪感に勝てなくなってしまった。結局は『他に好きな人がいるんでしょ』って振られて終わり。
『彼女と別れて』
今にも言ってしまいそうなんだ……
「本当は男に抱かれるのが好き……俺、彼氏とは随分前に別れて欲求不満なんだ」
嫌悪感を持てばいい。俺の事なんて切り捨てくれ。
俺はヤケになっていた。
笑える。彼氏なんていた事ないし。オモチャでは遊んでいるけど、後ろも未使用だっつーの。
「……ふーん。彼氏いたんだ」
抑揚のない声。
気持ち悪いって言われたら終わり。もう友達でもいられない。
でも、惚気話なんて聞きたくないし、彼女と仲良くなっていく様子も見たくない。
「じゃあ、頼もうかな?」
予想もしなかったお前の返しに、驚きを隠せない。
今、なんて――?
「椿……?」
「練習させて。朝日奈」
あまりに無表情で言ってくるから、信じられず立ち尽くす。
まさか乗ってくるなんて……!
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