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もう一人のお隣さん
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「あ、美琴さん。おはようございます」
黒髪の綺麗な男の人と一緒に出てきたのは美琴さん。
きっとあの黒髪の人が理人さんなんだろう。
勝手な想像をしながら、挨拶をすると扉の鍵を閉めていた美琴さんが振り返る。
「おー、優真。おはようさん」
鞄に家の鍵をしまいながら、ニコニコと笑みを向けて近づいてきた。
なんだろう、笑顔が妙に気持ち悪い。
「み、美琴さん?どうしたんですか、妙に元気ですね」
「え!?、あ、そ、そぉか?気のせいやろ」
「そ、そうですか?」
気のせいと言うわりすごく動揺してる気がするんだけど..。
深く聞かない方がいいんだろうか。
「そうそう、気のせい気のせい。俺は全然別に気にしてないで、偏見も何も持っとらん」
「え?美琴さん?何いって..」
何も聞いていないのに勝手にペラペラと喋り続ける美琴さんに慌ててストップを出す。
すると彼は自分の失態に気づいたのか、さっと静かに目をそらした。
「?..何かあったんですか?」
俺から目を逸らすってことは俺に関係のあることなのだろうか。
美琴さんに何かした記憶はないんだけど..
ざわざわとした不安を胸の奥にしまい込み、美琴さんの返事をまっていると、彼は俺の問いかけに気まずそうに「あー..」と声を漏らす。
その時、ずっと美琴さんの影に隠れていた黒髪の美人さんが今だとでも言うように飛び出してきた。
「美琴はね、恥ずかしいんだよね照れてるんだよね、だって人の情事を聴くの初めてだから。ふふふっ、初々しいよね。彼、見た目はこんなだけど意外と純情だから。僕的には美琴は攻めと見せかけての受けだと思うんだ。ああっ、はじめまして上尾優真くん、だよね?僕は倉敷 理人、美琴の同室者だよ」
「へ?あ、はい..はじめまして理人さん」
マシンガンの様に息つく間もなく話し始めた彼に、ぽかんと口を開ける。
あっという間に自己紹介を終わらせてしまった。
しかし、理人さんはまったく気にしていないようで..。
「初対面でいきなり悪いんだけどね、昨日はすごくいいものを聴かせてもらったよ優真くん。結城くんは裏のある子だと思ってたけどまさかこれ程とは!いい意味で僕の想像を裏切ってくれたよ、ふふふふっネタにするつもりはないけど僕の創作活動には凄くいい影響を与えてくれそうだよっ、あんな昼間から恥ずかしげもなく声を出して..っ、ああっもうっ、僕どうにかなっちゃうそう!」
「え、え、...え?」
頬を染めてマシンガントークを続ける彼に、俺は軽い目眩を覚えた。
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