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不穏な空気
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どうしようもないくらいに顔が熱い。
きっと今、俺の顔は真っ赤だろう。
分かりやすく動揺する俺に、美琴さんはコテリと首を傾げた。
「え?付き合うてへんの?」
「当たり前です!俺普通に女の子好きですし!」
「なんや、そうなんか。蛍汰が異様に甘かったから付き合うてると思ったんやけどな..」
「あれはっ..蛍汰がっ..」
蛍汰がたまたま偶然出会った男に手を出すような変態なだけであって..っ。
「.....」
(そういえば...)
そこでふと、俺の思考は停止する。
俺はこんなに驚いて動揺しているのに、さっきから蛍汰はずっと口を挟むこともなく静かに聞いているばかり。
それに、俺が蛍汰に助けを求めた時、確か蛍汰は...、
『俺は分かっててやったし変に隠さなくていいよ。焦らせば焦らす程俺が優真に怒られる』
...蛍汰は知っていたってこと?
あの部屋でやれば隣にいる彼らにも聞こえるってことを。
分かってて...、俺が怒るって言う予想までして、それでも蛍汰はわざと..。
思考が奥へ奥へと行くにつれ、俺の動揺は蛍汰に対する怒りに変わっていった。
突然黙りこくった俺に、美琴さんも理人さんも首を傾げる中ただ一人、蛍汰だけはいつもと変わらない笑みを浮かべる。
「蛍汰..」
「ん?」
「全部分かっててあんなコトしたのかよ」
「ごめんね、だって一番手っ取り早いかなって思って」
手っ取り早いってなにが。
さっきまで全然蛍汰に対する怒りなんてなかったはずなのに、それなのに、何でだろう。
すごく裏切られた気分だ。
「...っ俺、先に学校いく!」
ついてくんなと吐き捨てて、俺は逃げるように階段を下りた。
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