アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2
-
「独占欲と、嫉妬...ですか?」
いまいちピンと来ていないんだろう、首を傾げる結城くんに僕はチラリと美琴を見る。
「昨日、美琴から色々きいたよ。優真くんのことも彼と接するときの結城くんのことも、勿論美琴のコトも」
昨日このアパートに帰って来たとき、美琴は、あんな結城くんは見たことがないって本当に驚いてた。
だから、少しだけからかってしまったこと。
少しだけやり過ぎてしまったこと。
優真くんには悪いことしたかなって、美琴は本当に見た目によらず純情で純粋だから、不安そうに眉を下げていた。
その後で聞こえてきた隣室の物音。
所々聞こえてくる声は明らかに普通ではなかった。
慣れ親しんだ結城くんの声と、優真くんであろう声。
最初こそ抵抗を見せていた彼もだんだんとその声が濡れたものになっていく。
免疫のない美琴は途中でギブアップしてイヤホンを耳に当て音楽を聞き出してしまったけど、結城くんはアパートの壁が薄いなんてこと分かっているはずだ。
だからもしかしたらって思ってたんだけど..。
「昨日、美琴が優真くんにちょっかいを出すのに君はイラつきを覚えたんでしょ?だから君は優真くんに手を出した。まぁ、あまり関心できることではないけどそれは僕がとやかく言うことじゃない」
問題は、僕たちが寝室に行ってしまうまえに結城くんが手を出したということ。
まるで僕たちに自分たちの情事を聞けとでも言うようにコトを行ったこと。
「結城くんは、美琴に牽制してるのかなって思ったんだけど。それくらい結城くんは優真くんのことが好きなのかなって思ったんだけど、違ったかな?」
優真くんは自分のものだから手を出すなって、間に入ってくるなって、そう美琴に言ってるのかなって勝手に推測していたんだけど、どうも結城くんの表情からは優真くんに対する「そういう感情」は感じ取れない。
言動は明らかにそうなのに、優真くんは明らかに結城くんの特別なのに、何かが足りない。
(多分それは自覚、なんだろうけど..)
初めて見た結城くんの足りない部分に僕は静かに口角をあげた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
57 / 93