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side上尾 優真
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今日はゆっくり行こうね、って蛍汰と言ったのに結局一人で、ダッシュで登校してしまった。
騒がしい教室の中で、俺は机に突っ伏しため息をつく。
(いくら頭に血が上ったとはいえ、あんな風に一人走ってしまったのはよくなかったかな..)
理人さんも美琴さんもすごく驚いてた。
美琴さんなんて、ぽかんと口を開けていたし。
もう少しやり様があったかもしれない。
そう思ってもみるけれど、やっぱり蛍汰に対する怒りは消えない。
...いや、多分これは怒りじゃないのかな。
ムカつくし裏切られたと思うし、ふざけんなとも思うけど、なんかもっと胸の奥がムカムカする感じ。
もっともっと複雑な感情な気がする。
だって、昨日の俺はただでさえ理性が吹っ飛んでたのに...。
蛍汰の前だったから恥ずかしくても我慢できたのに、あんな..。
だいたい蛍汰は性格が悪すぎる!
というか変態すぎるだろ!
だって、隣の部屋に聞こえるってわかってて俺にあんな恥ずかしいことして、なんで蛍汰自身はあんなにしれっとして居られるのか全然分からない!!
(...思い出したらなんかイライラしてきた)
むっと唇を尖らす俺にふと影がさす。
「よ、優真。なんか不機嫌じゃね?」
そう言いながら俺の前の席に腰を掛けるのは、友人である巡。
「...おはよ」
へらへらと笑顔を見せる巡に不機嫌オーラ全開の返事を返せば、彼はキョトンと目を丸くした。
「なになに、どうしたんだよ。めっちゃ怒ってんじゃん」
「怒ってないよ、イライラしてるだけ」
ふいっと顔を埋める俺の髪を巡がくしゃくしゃと撫でる。
「なに、なんかあったのかよ」
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