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予想していなかっただろう人物の登場にキャーキャーと騒ぐ女子生徒と、驚いた顔を隠せない優真。
俺の目は勿論、優真だけをうつす。
よかった。
優真の顔色はいつもと変わっていない。
彼女たちのせいで傷ついたということは無いみたいだ。
「優真、この人たち誰?」
「え、いや..別に」
俺の質問に答える優真の目は明らかに泳いでいる。
..なんで優真はすぐにバレる嘘をつくのかな。
そんなところも可愛いけど、こんな女たち庇うことなんてないのに。
「そう?結構遠くまで彼女たちの声きこえてたけど」
だから、少しだけ意地悪をしてしまった。
あからさまに動揺する優真に、つい口元がにやけてしまう。
そんな彼だけを見ていたかったのに、
「あ、あの。私隣のクラスの佐倉っていうんですけど..っ」
「あ、ずるい!私ここに入学する前から結城くんのこと好きで...」
「ちょっと!二人とも抜け駆けしないでよ!」
キャーキャーと優真の後ろで騒ぐ子たち。
...本当に、邪魔。
内心イライラするのを抑えながら、彼女たちには即刻お帰り頂いた。
途端に、優真も静かになってしまう。
やっぱり彼女たちの言葉を気にしているんだろうか。
そう思って声をかけても、特には気にしていないみたいだった。
それでも何処か晴れない彼の表情に、不安が募る。
「家、帰ろっか」
気になりながらも深くは突っ込めず、優真の手を引く俺。
その時、彼は、あっと何かを思い出したように声をあげた。
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