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自覚
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「蛍汰、おかえり」
そう言ってぎこちなく笑った優真。
「え、」
いきなりそんなこと言ってくれるなんて思ってもみなかった俺は、格好悪く一瞬フリーズしてしまう。
「ほ、ほら..っ、なんかちょっと気まずくなっちゃったけど..、俺はその..もう怒ってないっていうか」
「...」
「前みたいに普通に戻りたいっていうか..」
照れ臭そうに顔を背ける優真。
その頬がほんのり赤く染まっているのは多分見間違いなんかじゃない。
「....」
「..な、なんか言えよ。蛍汰」
「好きだ」
「え、」
恥ずかしそうに俯く姿も、不安そうにこちらを見る仕草も、可愛い。
とてつもなく可愛い。
そう思った瞬間に、溢れていた言葉。
豆鉄砲を食らった鳩のように固まる優真。
そんな彼すら、可愛いと思えてしまう。
どうしよう。
好きだ。
「優真が、好きだ」
あんなに悩んでたはずなのに、あんなに分からなかったはずなのに。
答えは、ストンと俺の中に落ちてきた。
「蛍汰..?何いって...」
「優真、好きだよ」
ゆっくりと重ね合わせた唇。
気づいたら、体が勝手に動いていた。
しっとり濡れた唇に、胸の奥がキュッと狭くなる。
名残惜しさを残しながらゆっくりと唇を離せば、顔を真っ赤に染め驚愕の表情を露わにする彼がそこにはいて、
「っ、ちょっ...こんなとこで何してんだよ!!」
茹でダコみたいに怒る優真に、愛おしさが募った。
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