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優真の本音
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諭すように彼の顔を覗き込めば、優真は恥ずかしがりながらも口を開いてくれた。
「別に、蛍汰としたかったわけじゃないけど..っ、俺は..その..行為自体が嫌だったんじゃなくて、美琴さんとか理人さんに聞かれたのが嫌だったっていうか」
「うん」
「蛍汰は聞かれるかもしれないって分かっててシたんだろ?..俺はそんなこと全然知らなくて..、蛍汰のいいようにされてるっていうか、裏切られた気がして..」
「うん」
「そしたら何から無性にイライラしてきて、...だけどそんなのすぐに消えたっていうか、蛍汰とギクシャクするのは辛かったっていうか...あれ、俺なんの話してんだっけ」
必死に言葉を選んでいるうちに、何が言いたいのか分からなくなってしまったらしい優真はどんどんと本題から外れていく。
だけど、彼の口から出た言葉につい口元が緩んでしまった。
なんで俺の目の前にいるこの子はこんなにも可愛いんだろう。
キスしたいのを必死にこらえて、俺は優しく彼を抱きしめる。
「ありがとう優真、俺のこと許してくれる?」
「ゆ、許すっていうか..元からそんな怒ってないし」
「そっか。ありがとう」
「...はなせよ。苦しい」
「そんなにきつく抱きしめてないけど?」
「苦しいったら苦しいんだよ...!!」
ドンドンと胸を叩かれて、仕方なく離れる。
素直に俺に嬉しいこと言ってくれるくせに、変なことろで素直じゃない。
そんなところでさえ可愛いと思ってしまう俺は多分末期だろうけど、そんなこと気にならないくらいに優真が隣にいてくれることが嬉しい。
「さっきも言ったけど、この前のは嫉妬と独占欲だったんだよ」
「嫉妬と独占欲..」
「そう。優真ってば美琴とずっとくっ付いていたでしょう?すごい仲良くなってたし」
「あれは、美琴さんが蛍汰をからかおうとして..」
「うん。わかってた、けどそれでもムカつくくらい俺は優真が好きなんだよ」
まだ答えは出さなくていいけど。
無理に俺のことをどうこう考えなくてもいいけど、ちゃんと覚えておいてほしい。
あんなことをしてしまうくらい、優真が好きだってこと。
「俺が、誰のことを好きなのか..忘れたらダメだよ?」
「...ん」
俯いたように、頷いた優真のおでこに触れるだけのキスをして、俺たちは仲直りをした。
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