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俺の本命2
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教室に着いて自分の席に行こうとすると、周りに女子たちが群がってきて うっとおしかったから、口に指を当てて シーーー ってしたら キャーーー とか言ったり真っ赤になったりしてみんな静かになった。
今まで試した中ではこれが1番イメージも傷付けず効果があると思う。客観的にみるとすごい気持ち悪いけど。
静かになって考えるのはやっぱりあの人のことで、胸が苦しくなる。好きな人のことを考えてるのにこんなに苦しいなんて、なんだか不思議だ。
「……慎也??」
声に気が付いてハッと顔をあげると、圭吾が心配そうに俺のことを見ていた。圭吾は俺の考えていることがわかったのだろう何も言わなかったが、よく見ると圭吾は何かを言い悩んでいるような顔をしていた。
こういう時は俺が自分から聞かないと、圭吾は俺に気を使って黙りこんでしまう。
「圭吾、何かあったのか?」
圭吾はこの言葉を待っていたようで、やっと口を開いた。
「昨日さ、俺会ったんだ」
「え?誰に?」
「えっと…お前のに…いや…あの人に…」
「あの人は何か言ってた?!」
俺は≪あの人≫という言葉に反応して圭吾に詰め寄る。圭吾はちょっと驚いた様子を見せたが、その詳細を教えてくれた。
あの人から声を掛けてきたこと
学校での俺の様子はどうかと尋ねてきたこと
俺は意外と弱虫だから、これからも助けてあげてね と言われたこと
そんなにも俺のことを気にかけてくれているのか。圭吾から少し話を聞いただけで、こんなにも胸が熱くなるなんて…思わず頰が緩むのを感じる。
そんな俺を見て圭吾は「ホントお前って愛されてるよな」って俺に笑いかけたが、その言葉に俺が硬直したのを見て、圭吾は しまった という顔をした。
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