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兄さんのバイト5
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俺は手に持っている鍵を使って保健室の扉を開けた。
中に都築がいないのを確認して、俺が向かうのはあいつの私物の入った三段BOX。
隠されるような位置にあるそれを、手に取ろうとした。
そのときーーーーー
ガラッ
「あ…」
しまった。鍵をかけ忘れた。
入って来たのは都築だ。
「おい!お前、何勝手に俺の豆持ち出してんだよ⁈」
「すみません…あまりにも上質なものだったので、つい。」
「つい。じゃねえだろ!………ったく」
呆れ顔をした都築に腹は立つが、こいつの持っているコーヒー豆はすごく上質で高価なものだ。
絶対こんなヤツが飲むのはインスタントなんだろうと思っていたのに………
コーヒーの勉強を始めるまで、高いものだと気が付かなかった。
しかしよく見ると、こいつの持ち物全部値が張りそうな感じだな……
「おい………慎也。なんだその人を値踏みするような目は。」
「ような、じゃなくてしてるんです。」
「おいおい。ヤなやつだな…。まあいい。
取り敢えず泥棒未遂を生徒会広報様のところへでも送り届けようかな。」
「………」
圭吾にバレたら面倒そうだな…。
あいつ、あんな見た目で真面目だからな…。
うん、逃げよ……。
「よし、行くか。」
保健医が俺をヒョイっと担ぎ上げる。
「ちょ、え。何して…」
俺の身長で担がれてるなんて、本当に笑えないし、ダサい。
頼むからやめてほしい。
「こうでもしないと、お前逃げるだろ?」
「そんなことしま
「せんって言い切れないだろ。」
………………………」
やっぱりバレてたのか………。
「離してください……逃げないんで……」
どうせ逃げられないしな。
「ヤダよ。たまにはお前も恥ずかしい思いしとかないとな〜。」
子供のようなイタズラっぽい笑みを浮かべたまま、俺を担いで歩いていく。
「おろしてください!って!」
「やーだーってば」
結局俺はそのまま都築に担がれて生徒会室へと足を進めた。
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