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やつの想い1
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頭痛い…………
寝不足のせいで疲れた身体が、もう限界だとひしひしと訴えてくる。
まあ原因は寝不足だけじゃないんだけど。
「慎也、お前顔色悪いぞ。」
家を出てすぐに圭吾に指摘される。
大丈夫か、って心底俺のことを心配しているのが伝わってくる。
兄さんが一緒の時に言わない気遣いがありがたい。
あの人は、俺の心配なんて、しなくていい。
「大丈夫。昨日中々寝付けなくて寝不足なだけ。」
本気でしんどくなったら帰ろう………
「ならいいけど。それと、あの山地って人が教育実習してる間、俺の家に泊まらないか?お前苦手なんだろ?」
ああ、俺がしんどいのはストレスのせいだって思ってるのか………
まあ遠からずってとこかな………
「そうしたいのは山々だけど、兄さんの面倒をみないといけないからね。」
もしアイツが俺のいない間に兄さんに何かしても困るし。
「そうか、まあ困ったらいつでも俺に言えよな。」
とりあえず避難場所は確保、と。
「ありがとう、頼りにしてる。」
「本当に何も無いのか?大丈夫か?」
「ふふ、圭吾って意外と心配性だよね。俺は大丈夫だよ。」
笑って誤魔化すしかなかった。
男が強姦されたなんて、恥ずかしくて口が裂けても言えるはずがない。
特に兄さんと、この優しすぎる親友には、絶対に知られたくない。
こうやって、俺の秘密が、また1つ増えていくーーー
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