アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
誰にもやらねぇ
-
「僕…、僕さ……、誰ともヤったコトない童貞、なんだけど」
数秒の沈黙の後に放たれた天馬の暴露に、今度はオレが戸惑った。
「だから、生理現象うんぬんとか言われても、ピンと来ないんだけど……」
いや、オレもだし。
誰ともヤったコトなんてねぇし。
それでも、男なら、弄れば勃つってコトくらいはわかるだろ……?
何を言いたいのかと、思わず頭を上げ、天馬の顔を窺った。
「…きゅんってしたんだ」
瞳の先で、照れたように頬を染めた天馬が、困ったような笑みを浮かべる。
半泣きの瞳で見詰めるオレに、天馬の手がおどおどと髪に触れる。
「やっぱ、きゅんってなる…静のその顔、ヤバいんだけど……」
呟いた天馬の瞳が、困ったように大きく游ぐ。
オレの髪に触れていた天馬の手が、ゆっくりと自分の股間を指し示した。
指先に釣られるように見やったそこは、わかりやすく盛り上がる。
生理現象で片付けられるレベルじゃない……。
「…………」
思わず、言葉を失うオレ。
ちらりとオレの視線を追った天馬は、ばっと両手で顔を隠し、がくんとしゃがみ込んだ。
「すっげぇ、恥いんだけどっ。好きって言葉で言うより伝わるかと思ったけど……っ、恥ずかし過ぎて、死ねるっ」
股間を両手で押さえた天馬は項垂れ、ボールのように身体を丸くし縮こまる。
その肩が、そのまましゅんと落ち込んだ。
「こんなん、お前の身体目当てだって、言ってるようなもんじゃん。……なんだこの最低な告白…」
ぶつぶつと呟いた天馬を、どよんとした空気が包み込んだ。
オレは、しょんぼりと萎れる雰囲気ごと、天馬に抱きついた。
「最高だろっ」
はははっと、腹の底から笑い声が漏れた。
笑い声に釣られるように上がった天馬の顔は、真っ赤に染まりながらも、不本意だと言いたげに歪んでいた。
「オレのコト好きで、オレ見るだけでムラムラしちゃうとか、……お前、可愛すぎっ」
不貞腐れたようにオレを見やる天馬の頭を、乱暴にぐしゃぐしゃと撫でた。
「天馬の筆下ろしは、オレがやるっ。誰にもさせねぇ!」
にたっと笑ったオレは、天馬の目の前で親指を立てて見せた。
「これはオレのもんだからなっ。誰にもやるなよっ」
つんつんっと布越しでもわかる硬さのそれを突っつくオレに、天馬は呆れたような息を吐く。
「…………っ」
予想外の刺激に、息が喉に詰まった。
天馬の手が、むにゅりとオレの股間を掴んだのだ。
「お前こそ、誰にもやるなよ。ここだけじゃないから。全部、僕のものだからな。ちゅーもダメだからっ」
少し痛いくらいに掴まれるそこに、引っ込んでいた涙が、じわりと浮かぶ。
当たり前じゃねぇかと叫ぼうとしたが、声は喉に詰まって出てこない。
代わりに小さく何度も首を縦に振るった。
空いていた天馬の手がオレの髪を撫で、顔を寄せた。
噛みつくように奪われた唇に、頬が緩んだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
9 / 11