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とんでもない間違いだって悪いものじゃない
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「初めてだったからね、もう暫くゆっくりしていた方がいいよ、…イテテ」
誠さんの表情がほんの少し歪んだ。
(え?俺、なんかした???)
最後は意識を手放すぐらいに乱れたのだから、
何かやらかしていてもおかしくない。
俺は恐る恐る口を開いた。
「ま、誠さんどこか痛いんですか?俺、途中からもうわけわかんなくなっちゃって…、怪我とかさせちゃいましたか??」
「…、はぁ…」
俺の表情を汲み取った誠さんは、
あからさまにわかりやすいぐらいのため息を一つ吐いた。
「…、あのね、そういう顔されると、白状するしかないから言うけど…、ケツ痛いの。俺も、31の…、君からしてしてみればオッサンが、羽目を外し過ぎたっていうか。慣らしもしないで最初にヤッたでしょ?」
誠さんが、バツの悪そうな顔を赤らめた。
「へぇ、誠さんって、31歳なんですか?」
「え?俺言わなかったっけ?」
「言ってないですよ、っていうか……」
これだけ濃密な時間を過ごしておきながら、
今になって、誠さんの年齢知るなんて…。
なんか、
なんか、なんか…。
「フフッ」
「アハハッ」
互いに顔を見合わせた途端、笑い合う。
ベッドの中でふたり身体を寄せ合いながら、
思いっきり笑い合った。
それがこんなにも、
心地のよいものなんだって、初めて知って
俺は心が軽くなっていくのを感じずにはいられない。
笑い合いながら、瞳が交わると
お互いに、どちらからともなく
唇を重ね合わせ、
再び身体に熱が帯びていく。
俺が思い描いていた、
相性99%の相手は、
俺のとんでもない間違いが始まりだったけれど、
とんでもない間違いだって悪いものじゃない。
足りなかった1%が性別だったとしても、
その1%のおかげで、
俺は誠さんと出逢う事が出来たのだから。
END
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