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第七章「嫉妬の香り」《3》
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かーっと一気に身体が熱くなる。
気づいてしまえば、ものすごく納得してしまった。この落ち着かない感じも、モヤモヤもムズムズも、今日一日レイさんと一緒にいるときばかり強くなっている。
ベッドが揺れて、レイさんが布団に入ってきたのがわかった。
「……何」
無意識のうちに、レイさんの冷えた足に自分の足を絡めていた。
一瞬、驚いた顔をしたレイさんは、すぐに怪訝そうに俺の方を見ると、眉間にシワを寄せてそう言った。
「いや……その……」
自分でも自分の行動にびっくりして、絡めていた足をすぐに引っ込める。でも、やっぱりモヤモヤしていて、どうにも治まりそうもない。
「さ……触って、ほしい…なって……」
ボソボソと喋りながら、布団で顔を隠す。
いや、普段の俺だったら絶対こんなこと言わない。でも、健全な18歳の男の子ですし……しかも、好きな人と両想いになれたばっかりなわけで……。
レイさんに触ってもらえたら、モヤモヤが治る気がするんだもん……。
心の中で誰に言うでもなく必死に言い訳をしながら、ドキドキと心臓が脈打つのを感じる。
「はぁ……」
レイさんから大きなため息が聞こて、ビクッと肩が跳ねた。
呆れられた……?
「夜の分の薬は飲んだのか?」
レイさんの言葉に、布団から顔を出してコクコクとうなずく。
「じゃあ寝ろ」
「え゛」
期待とは真逆の言葉が返ってきて、思わず非難の声をあげた。
レイさんはそんな俺を気にした様子もなく、ベッドに横になり、さっさと寝る体勢に入ってしまう。
もうめちゃめちゃ恥ずかしいし、悲しいやら悔しいやら、落ち込んできて、自分でもわかるくらい不貞腐れた顔でレイさんを見た。でも、そんなことをしても仕方ないし、渋々レイさんに背中を向けて布団をかぶる。
ちょっと前まで散々俺のこと触ってきてたくせに!
レイさんのばーか!
心の中でそう思いながら、もう無理やり寝てしまおうと思い、ギュッと目を閉じる。
「ッ……」
不意に、後ろからお腹に腕をまわされた。
「レ、レイさん……?」
声をかけても当の本人は何も言ってこなくて、抱きしめられている感覚にどんどん心臓がうるさくなってくる。
ヒヤッと冷たい感覚がしたと思ったら、レイさんが俺で暖をとるみたいに足を絡めてきていた。
顔から火が出そうなくらい動揺して、ちょうどみぞおちの辺りにあるレイさんの手に触れてみる。身体を包む温もりが心地よくて、幸せで、切なくなる。
さっきまでの寒さが嘘みたいに暖かい。
大好きなレイさんの匂いがして、急速に何かが満たされていくのを感じた。
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