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第七章「嫉妬の香り」《22》
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「あ゛〜……」
一人残され、ソファにぼふっと寝転ぶ。
恥ずかしいなんてもんじゃない。十八歳にもなってお、お漏らしとか……。でも、全部レイさんのせいだし、さっきのは夢ってことにして忘れてしまいたい。
俺が意識を飛ばしてる間、もしかしてかなり時間が経っていたんじゃないかと思う。俺の覚えてる限りでは、レイさんは二回しかシてないはずだけど、この身体の重さはそんなもんじゃない気がする。
でも、それをレイさんに聞くのも怖い気がして、「う゛〜……」とクッションに顔をうずめた。
喘ぎすぎて喉が痛いし、泣きすぎて目も熱い。お尻にはまだ何か入ってるような感覚があるし、何度も打ち付けられたお腹の中は、相変わらず腫れてるみたいにジンジンする。
カーテンの隙間から朝日が射し込んでいて、すっかり太陽が昇ってしまったことを知った。
レイさんを待たないとと頭では思っていたのに、気づけばそのまま眠ってしまっていた。
────
「行きなよ……」
「行かない」
起きたときには、俺はベッドに寝ていて、とっくにお昼を過ぎていた。
あと数時間もすれば、二人とも仕事に行く時間だ。でも、腰どころか身体中が痛くて、とてもベットから起き上がれそうもなかった。仕方なくオーナーに休むことを伝えると、なぜかレイさんまで今日は行かないと言い出した。
電話口で『予約が何件入ってると思ってんだ。昨日も途中で勝手に帰りやがっ──』とオーナーが怒っていたけど、レイさんは構わず途中で通話を切ってしまった。
「今日はお前といる」
「ン……」
ベットに寝ている俺の口に、レイさんがちゅっと口付けてくる。降り注ぐキスが優しくて、胸がドキドキした。
目覚めたときは、あまりの腰の痛さに隣で寝ていたレイさんを殴り起こしてしまった。パニックになってワアワアと騒ぐ俺に、レイさんは怒るでもなく痛み止めやクッションを持ってきて、あっという間に身体を楽にしてくれた。
そういうことに関してはさすがというか、なんと言うか。凄いなと思った。でも、そもそもレイさんのせいだったから、なんだか複雑だった。
初めてレイプされたときは、もっと傷が痛む感じだったけど、今回は全身がズンッと重くて、身体の中にレイさんの形が残ってる感じがする。
正直、昨日のことはところどころ覚えてない。触れた肌の熱さと、与えられた強烈な快感と、俺の名前を愛おしそうに呼ぶレイさんの声。
頭に焼き付いた光景が蘇って、恥ずかしくなった。
「ぁ……」
離れていくレイさんの唇が名残惜しい。
うっとりとした目でレイさんを見上げれば、あまりにも優しい表情をしていてドキッとした。
慌てて目を逸らして、暴れる心臓を手で押さえる。
バタンッ!!
突然、寝室の扉が勢いよく開いた。反射的にパッと二人でそちらを振り返る。
「レイ!」
荒々しく入ってきた怒っている様子のオーナーと、その後ろにカオルさんが立っていた。目が合ったカオルさんは、俺を見て何かを察したのか苦笑を浮かべる。
「たまになら許すが、何度も何度も指名をバックレんじゃねぇよ! 誰が客に頭下げると思ってんだ!」
そう言いながら詰め寄ったオーナーに対して、レイさんは流れるような動作で片手を振り上げた。
「え」
目を見開くオーナーの頬に、レイさんの拳が勢い良く飛んでいく。触れる瞬間、バシッと音がして、すんでのところでカオルさんがその手を掴んだ。
俺もオーナーも、突然のレイさんの行動に何も反応できなかった。カオルさんだけは、まるでこうなることがわかっていたみたいに冷静だった。
「ごめん、俺がアサヒにやるように言ったんだ。殴るなら俺にして……?」
レイさんの手を離しながら、カオルさんはバツが悪そうに苦笑いを浮かべる。
瞬間、バキッと鈍い音が響いて、カオルさんが後ろに吹っ飛んだ。
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