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5.生きも殺すも
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「俺の部屋にようこそ」
男は僕を部屋に招き入れると、後ろから部屋のドアを締めながらどこか楽しそうにそう口にした。僕はきょろきょろと辺りを見回し、夜の窓から見える街並みを見て、傍にある大きなベッドに目を移した。
大きい…やっぱりこの人お金持ちの人なん…
「さて、こんな夜更けに男の部屋に入ってくるとは一体どういう了見だ?」
びく…っ
真後ろから男の声が聞こえて体が漫画みたいにびくっと跳ねた。
「え…」
「確かに部屋に入れたのは俺だがそれですんなり入ってくるお前もお前だ。」
男はそう言って、ドカッと自分のベッドの上に座った。
「お前、俺にこれからどうされたって文句言えねえんだぜ。」
「……」
ちがう、…そんなこと僕は想像もついていなかった。だって、いつもと男の様子が違う気がしたからそれでつい尋ねてきてしまっただけで、でも引き返そうとした、なのにそれを男に阻まれて…それで無理矢理…
「この間はあんなこと言ったが、別にいいんだぞ。」
「…え…」
「いやらしいことしても」
…!
いやらしい…?いやらしいって、いやらしいって…。僕はハッとして暗い部屋の中で大きなベッドに座るにやりとにやついた男の姿を捉える。僕はそれから踵を返して男の部屋のドアの入口まで駆けた。
しかしすぐに男に追いかけられ、開けようとしたドアをばんっ!と後ろから伸びてきた男の手に押さえられ閉められる。
「っ!」
「ああ、勘違いされるとあれだから言っておくけど、別にここだからそういう気になったとかそういうわけじゃないから」
「……っ?」
暗闇に映る男の顔を見上げる僕の頬を掴んで、男は顔を近づけながら話してくる。
「お前のことなんて、いつどこでも殺すことだってできるし、犯すことだってできる。…お前も分かってるよな?」
そう言いながら男の唇が僕の右耳を掠めた。
「…っっ!」
ころす、殺すって……確かにそうだ、僕の自由の身は今、この男の手に握られているんだからっ…つまりそれは生死もこの男に左右されているということー
「泣きそうな顔して…煽るのが上手いな?」
「…ぁっっ」
男に逃げ出そうとする体をがっちり掴まれて、唇を耳に、首に押し付けられる。
こんな当たり前なこと…どうして気づかなかったんだろう。僕はいつ、この目の前の男に殺されても、何されても、仕方ないってことを…。
「…あっ!」
ベッドの上に体を投げられる。体勢を整えようとする僕の上に男がやってきて、僕はそれにぞくりと恐怖する。
「俺は他人に左右されるのが嫌なんだ。だけど俺の都合で涙目になって我慢してる姿を見るのは大好物だ。」
にやぁと笑った男がそう言って僕に手を伸ばして、僕はうわぁあっとここに来て久しぶりに大きな声を発した。
「……っ」
「どうだ、イキそうか?」
男に与えられたパンツとズボンを下ろされ、男の手にぐちゃぐちゃと足の間にあるソコを弄られる。
「…っぁんぁ…ぅ」
僕は恐怖と気持ちよさと絶望を感じながら涙を流し、目の前にある男のシャツを手でぎゅっと握っていた。これでは本当に僕はこの男のいいオモチャだ。
「1人で家にいてぬいたりしなかったのか?」
言いたいことは山ほどあるが…僕はこの男が嫌いなはずなのにこの男の耳元で囁かれる声に何故かどきん、と胸を鳴らして頬を赤らめてしまっている。まずい、このままでは男の思うつぼ、それなのに…。
ダメだ、…ただ男の手に触られることがこんなに気持ちよくて堪らないものなんて。最初は怖い、そう思っていたのに、もうそんな気も気持ちよさで理性はすっかりかき消されてしまっているようだ。僕はもう完全に狂ってしまっているから。そうだ、そうなんだ…そうなんだ、きっと。きっと。快楽とは現実逃避、僕はこの現実から目を逸らしたくて、だから、溺れるしかなくて…。
う……い、イきそう。イきそう、もっと触って、もっと触って…っっ!
「……凜人」
「…っあぁ、はぁ」
「凜人、りんと……、はあ、可愛い……可愛いよ…凜人」
あれ、僕この人に名前言ったっけ…。なんで……
「…んあぁっ!」
「考え事か?俺にこんなふうに弄らせといてそんな仕打ちか?我がままだな凜人は」
「あぁぁっんん…っっ」
「ほら口開けろ、キスしてやるから」
男に与えられる刺激に体全体がびくびくと甘く痺れる。何でこんなに怖くないんだ、何でこんなに気持ちいいと単純に感じられているんだろ…
僕もしかしてこの人を知ってる…?
「ぁぁふっっふっ」
口内を自分と男の涎まみれにしながら顎に向かって垂らす。
「なんて顔してるんだ、…なあ凜人イカせて欲しいか?うん?」
「あっあっ」
「ちゃんとお願い出来たら気失うくらい気持ちよくさせてやるけど…どうする?」
「あひっ…ぁ」
僕はこの人のオモチャ……ああそうかもしれない。でも今だけは許して、ただ今は、今は、…イきたくて堪らない、その後はもうどうなったっていいから…!ただ、イきたいんだ。
「…あっ…ひ…い、イカせて、ください、立花さん…ぅっっ」
あれ、…立花…さん…?それってだー
「……凜人。……いい子だ、すごく可愛い。俺の凜人、たっぷりイカせてあげるからな。」
…!?あ…っ!!?!?
僕はその後高い声を上げながら絶頂を迎えた。口が開いたまましばらく閉じれず、体は快楽の余韻でカタカタと震えていた。口からだらだらと垂らす僕のヨダレを男がべろりと舐めとっていく。
「感度高いな凜人。本当に可愛い。しばらくはこれで楽しませてもらうかな」
僕は犬として生きていく方が性にあっているのかもしれない。などと有り得ないことを思いながら目を閉じた。
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