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73.傍にいてくれる人
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………
…
ー
目が覚めた時、僕は自分のベッドの上にいた。どうやら、透さんの家に僕は戻ってきたようだ。外が明るいので、今は恐らく朝からお昼くらいの時間のようだ。
額に違和感を感じて手を当てると、冷却シートが貼られていた。…頭がぼうっとする。体が鉛のように重たい。
「…はぁ…はあっ…はあ…」
目を瞑って息を上げていると、傍で気配を感じた。
「凛人っ」
その声に薄らと目を開けると、ベッドに横たわる僕の横に僕を見て心なしか心配そうな顔を向けてくる透さんが居た。
「…透さん」
ぽつり、呟くと透さんがベッドの上に預ける僕の片手をぎゅっと握った。
「どうした、何か食いたいのか?フルーツか」
僕の額に貼られた冷却シートを外し、僕の額に手を当て、そしてまた新しい冷却シートを貼ってくる透さんが尋ねる。
それに返事もせずぼうっと透さんをただ見ていると、透さんはそんな僕に何も言わずに僕の顔に手で触れてきた。
「…まだ顔が赤いな。この調子じゃ熱もまだ全然下がってなさそうだ。」
「…」
「凛人、何か食えそうか?それとも食ったら吐き気がするのか」
透さんが顔を熱で赤くする僕を見て不安そうな顔色で見つめてくる。
「…何も、いらない」
僕は虚ろな瞳で熱い息を吐き出しながらそう呟く。
「フルーツも無理か?薬が食後じゃないと飲めないんだ」
僕は透さんの声を遠くで聞く。
ただ、体が気持ち悪くて、苦しくて、額に汗をかきながらきつく目を瞑った。
「…わかった、何か食べやすいものを持ってくる、少し待ってろ」
透さんはどこか焦った様子で僕の部屋をドアを開けて飛び出していった。
僕は長い悪夢にうなされながらしばらくの間全身に汗をかきながら再び眠りについていた。
ー
その後、買い物から帰ってきた透さんが僕にりんごをすりおろしたものをお皿に入れて持ってきてくれた。
「美味いか」
目を覚ました僕は、先程よりほんの少しだけ軽くなった体をベッドの上に起こし、透さんのくれたすりおろしりんごを口にする。
「…うん、美味しい」
「そうか」
透さんがむぐむぐと口を動かす僕を見て安堵したような顔をうかべる。
そして、なでなでというように僕の熱で汗のかいた頭を触り撫で、僕はそれに再び眠気に誘われるように瞼を閉じる。
「少しは良くなったか」
透さんが薬を取り出し、水の入ったコップを傍の机の上に置く。
「食ったら薬を飲め。」
「…」
「おい凛人、座ったまま寝るな。飲んでから寝ろ」
絶対だ、そう少し厳しい顔をした透さんに言われ、僕はまだ少し息を荒くしながら無事薬を飲んだ。
再びベッドの上に横になる僕を、隣に腰掛ける透さんが上から何か言いたげに見つめる。
「…凛人」
「…」
「お前がこんな時に尋ねるのもなんだが、その鎖骨のキスマーク、誰につけられた」
透さんの声を、僕は朧げに聞いて理解する。……キスマーク…?
「…凛人まさか…俺以外の男に……抱かれたのか?」
僕は透さんの何か押し殺すように発する感情的な声にふい、と透さんの方に顔を振り向かせる。
僕は顔を下に伏せる透さんを見つめて、ふるふると首を横に振った。
「………そう、か」
すると、透さんの体からふっと、込められていた力が抜けるのが見て分かった。
「だが、お前にそんな跡をつけるなんて、許せたことじゃないな。一体どこの誰なんだ、それは?」
「……」
「…ふん、いいさ。お前の熱が下がったら無理矢理にでも吐き出させてやる。何をされたのかも詳しくな。だが、今はお前に優しくしてやるよ。お前は、病人だからな」
透さんはそう言いながら1度部屋を出て、少しすると再び両手にコップを持って現れた。
「寒くないか?ホットココアを持ってきてやった。眠いなら別に飲まなくてもいいが」
そう言って体を横にする僕の傍にある机の上にコトン、と湯気の立つコップを置く透さんに僕はさっきの出来事が頭にフラッシュバックする。
…ココ、ア……。
「どうした。お前ココア好きだろう?」
体を起こし、若干震える手で温かいココアの入ったコップを握る僕に、コーヒーの入ったコップを片手に透さんが不思議そうな顔をして聞く。
「……う、うん」
僕はこくり、とココアをひと口飲んだ。
それはいつもの、透さんがいれてくれる甘くて美味しい温かいココアの味だった。
「…それにしてもお前何で裸足だったんだ」
「…!」
「途中で靴が脱げでもしたのか、それとも…靴を元から脱いでいたってことか?…つまり…」
考えるようにして眉をひそめ話す透さんを前に僕はココアを両手にどきどきと不安で胸を鳴らす。
「…まあいいさ。その件に関しては今は聞かない。」
「え…?」
「いくら俺でも、弱ってるお前に手を出したくないからな」
そう言って透さんは飲んでいたコーヒーのコップを机上に置くと、ふと、かけていた僕の布団を剥がし、手で僕の足に触れた。
「…っな…何するのさっ」
透さんが僕の足裏を見て、ム、と怪訝そうに眉を寄せる。
「傷だらけじゃないかよ」
そう言って透さんが僕の足裏を手で触り、まだ熱で頭を朦朧とさせる僕はそれにビクッとして顔を痛みで歪める。
すると、透さんはそんな僕を見て、何を思ったのか不意に僕の足に自分の顔を近づけていった。そして、ぺろ、と足裏を突然舌で舐めてくる透さんに僕はびくん!と体を跳ねさせる。
「あっ!?や、やめ…」
僕は震える手でココアを持ちながら目を開いて、ちゅっちゅっと足に口付けをしてくる透さんを見る。…いやだ、熱もまだあるからか、体が異様に火照って…。
「ぅんんっ」
べろりと透さんの舌が足裏を舐め、僕は頬を赤く染めながらぎゅっと目を閉じた。
もう嫌ぁ……っっ…
「凛人…」
「ひあぁっ」
透さんに足を捕まれ舌を這わせられながら、僕ははぁはぁと熱い息を出しガクガクと体を震わせながら、涙を流して透さんから与えられる行為に耐え続けた。
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