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137.不穏な音
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うぅ…。
僕は翌朝、腰を手で抑えながら目を覚ました。
…昨日何時に寝たのか全く覚えていない…。
棚の上に置いてあった時計を見ると9時。透さんは、とっくに会社に向かったようだ。
(それにしても、昨夜は少しヤり過ぎた…。あんまり覚えてないんだけど、すごく、いやかなり、理性を失っていた気がする…)
透さんがたまに言うように自分が若いからなのか、それとも透さんにこれまであれこれされてきたから体が開発されてしまったのか…。
僕は裸の体をベッドから起こし、ぶんぶんと頭を横に振った。
いや、よそう…こんなことを朝から考えるのは。だけどー
〝凛人、またイってるぞ〟
〝はっ…はぁ……え…っ?〟
〝後ろで咥えながら連続射精するなんてそんなに俺のが気持ちいいか?〟
僕は頭にほんの少しだけ蘇る出来事に服を着ながら顔を両手で覆った。
ああ……僕何してんだっほんとにもう…!!
透さんのせいできっとエロが移ったんだッ。透さんに完全にはめられてる、洗脳されているッッ!
(あれ…)
ふと、パンツを履いた時にお尻のナカに違和感を感じた。あ…まさかこれって、また…
「…っん」
僕はパンツを脱いで自分のお尻のナカに指を突っ込む。
「…ぁぁあ」
軽くつついただけで自分のお尻のナカからだらだらと多量の透さんの精液が足をつたって流れ落ちるのが分かる。
あっああぁあの人…っ!い、一体何回ヤったんだっっ!お尻の中どろどろじゃん…!
僕は部屋で1人赤面しながら出てくるそれにしばしピクピクと体を震わせながら耐えていた。
それからお昼を迎えて、いつも通り家事をして、キッチンの机をふきんで拭いているとー。
スマホから透さんの着信音が鳴り響く。
「はい、もしもし。透さん?」
僕はエプロンのポケットに入れていたスマホを取り出して耳に当てる。
「ああ。凛人」
透さんの声はいつも通り涼しげであった。…スッキリしてそうで何よりだよ。
「なに?何か用事?」
「別に違うさ。」
お前の声が聴きたくなっただけだ、駄目か。と続ける透さんに僕はほんのり頬を染める。
「ば、ばかなこと言ってないで、仕事してよね」
「阿呆、今は休憩時間だ。なんだよ凛人、つれないな。俺からの電話嬉しくなー」
「とおるさん」
ビク
あれ。いま電話口から、透さんのことを呼ぶ声がはっきりと聴こえた。
「…」
「お前、また来てんのかよ」
お前?会社の人ではないのだろうか。それに相手の声、僕以前どこかで聴いたことがあるような…。
「凛人、悪い。」
離れて何か話していたような透さんが少しして電話口に言った。
「え?あ、うっううん。…仕事の話?」
「ああ…まあ」
…。
「昨日言った通り、明日の夜は帰りが遅くなる。だから凛人、しっかり家の戸締りしておくんだぞ」
うん、わかった。
僕はそう言って透さんとの通話を終わらせた。
僕はそれからスマホを手に持ったままひっそりと眉を寄せた。何か引っかかる…さっきのあの声、確かに僕は知っている人なんだ。
…あーー
『ごめんなさい、お兄ちゃんが。』
そうだ、思い出した。あの声の主は、あの旅館の時会った兄弟の弟。…何で今透さんとの電話口から聴こえたんだろう?
しばらく椅子に座って考えてみるがあの2人の繋がりが全く分からない。
そもそも、透さんあの2人には関わりたくないみたいな雰囲気じゃなかったかな。なのに、どうしてあの子が透さんの傍に…?透さんの今の彼に対する声も、そこまで邪険に感じているような声ではなかった、気がする。
……。…まさか、ね。
僕ったら、何考えてるんだろ。まさか透さんが、あの子とどうこうなるわけなんてありえないのに。
でも、もしそうじゃないとしたら、なぜ2人は一緒にいるのか。
僕はしばらくして、ドクンと大きく心臓を鳴らした。
……まさか透さん……、…変なこと考えてるわけじゃないよね……?
近頃の透さんは優しい。
だが、彼の本質は本来とても恐ろしく凶暴なものだった。今でこそ大人しく静まり返っているものの…これがいつまで続くか分からない。
透さん、ダメだよ、ちゃんと僕の傍にいて。…僕から離れていったら駄目。
だって、そうしたらあなたはまたきっとあの頃のあなたに戻ってしまう…僕はそんな気がするんだ…ー。
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