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145.声
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体が熱い。
常に透さんを求めるように、ベッドの上に倒れながら僕は甘い息をあげる。
でも今は透さんは仕事でいないし…
僕は先日部屋に置いていった透さんのシャツを掴み、ベッドの上に寝転がりながらその匂いをスースーと嗅いだ。
太ももの間からたらりと先走りの液が流れ、僕はその事実に顔を赤く染め体を震わせた。
僕は大きな自分の感じる声が部屋に響くのが嫌で、透さんの白シャツを口にくわえ噛んだ。
そして、自分の勃つソコに手を伸ばした。
「…ん…ん、…んんっっ」
僕はその後、呆気なくすぐ果てた。
口を離した透さんのシャツの部分には、涎がべったりと付きシミになった。
僕ははぁ、はぁと赤らんだ顔で横たわりながらぎゅっとそのシャツを無意識に胸元に引き寄せ目を閉じた。
僕は、夢の中でも淫乱でふしだらであった。
それは、透さんに激しく突かれる夢だった。
『凛人…いいぞ』
透さんの声が耳元で囁かれる。僕はそれにびくっと体を反応させ、透さんに求められるキスに顔を振り向かせ答える。
『凛人、やっぱりお前はど淫乱だったんだな…?ココ、手で触って欲しいんだろ?』
『…はぁ、はあ……うん…、触って…触っ、て…』
すぐに透さんの手が僕の足の間に伸びる。
僕は触れられただけで高い甘い声を出した。
そして、少しして絶頂を迎え果てる。その繰り返しを何度もした。
僕は与えられる終わりのない快楽に息をするだけで精一杯だった。瞳を虚ろにすれば、目覚めさせるように胸元の突起を突然きゅっと摘まれる。
『…あ…っっ…はあ…、はぁっ…』
僕は先の見えない暗いトンネルの先を見つめた。
『あぁっ』
頭に、透さんの腕をとって笑顔を向けた彼の姿がチラついた。
透さんの俺に意見するなという言葉も、今鮮明に思い出した。
僕は何度も、何度も、何度も、何度も……透さんに抱かれてわかった。
これは、愛あるセックスではないと。
僕はもうほぼ出ない精液を吐き出した。必死に酸素を取り込もうと息をする僕の口端から垂れる涎を透さんが舐めとっていく。
僕はぼうとした瞳で透さんを見た。透さんは、僕など見ていなかった。
僕は汗をぐっしょり掻きながら目を覚ました。
そこは確かに自分の部屋だった。
僕は先程の夢を思い出し、体をカタカタと震わせながら体を起こし、そばにあるシャツに視線を落とした。
『凛人』
…声が、聞こえる。
『凛人、しっかりしなさい。』
そうだ、これは、この声は…
『君らしくない。透の毒素にやられるなんて』
「…」
『このままでいいのか?このままなら、君と透の結末は希望あるものではないぞ。』
「…だっ、て……どうしたらいい、のか」
『凛人…聞きなさい』
「……はい」
『君は、常に強くいなければならない。酷なことを言うかもしれないが、何があっても、自分の足で立つんだよ、凛人。それしかないんだ』
僕はぽたぽたと涙を流す。
『…凛人、俺は君を信じてる。君が、彼を救ってくれると…。そして君が、ふたりが、幸せになることをーー』
僕は再び目を覚ました。
…今、何か懐かしい声を聞いていたような。
僕はそっとベッドから起き上がった。そばに置いてあったシャツに目を落とし、ゆっくりと目を瞑った。
そして目を開けた。
…このままでは駄目だ。透さんの言う通りここに縛られ続けば、僕も、彼も、明るい生活など待っていない。
僕は…行く。この先を、透さんが塞ぐこの道を。何を恐れてる?何を怖がっている?
僕は行くしかないのだ。例えまた…、透さんと対立することになってもー。
僕は、僕らしく…、これまでしてきたように、僕は、強く。
透さん…あなたにだけは、僕は…負けるわけにはいかないからー。
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