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165.拘束2(透side)
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「何でそのことで、あなたに同情されなきゃならないんだよ…!」
至近距離で七星が俺の顔を見つめながら言い、
俺の顔のすぐ横に突き刺していたナイフをベッドからスっと引き抜いた。
「…ほんとにボク、あなたがムカついて腹たって仕方ないよ。」
「…」
「でも、殺さない。」
そして、俺から離れていく七星に俺は声をかける。
「おい、まて!」
七星は振り返って俺を見て言った。
「数時間後にはまた戻ってくるから心配しないで」
「おい……!」
パタン、そのまま七星はドアを閉め部屋を出ていった。
あーたくっ!何だってこんなことになってるんだ…っ!
この俺にこんな真似しやがって。
しばらくベッドの上で暴れてみたが、手だけでなく足までベッドか何かに紐付けて固定されているようで、体力を消耗しただけで終わった。
「ハァ、ハァ…」
少しすると、ガチャッと再びドアが開かれた。
「ご飯持ってきたよ、何も昨日から食べてなかったでしょ」
七星はそう言って、お盆を傍の机の上に置く。
「ほら、口開けて」
ベッドに横たわる俺に向かってスプーンに盛ったご飯を差し出す七星。
「…いらないの?」
口を閉じる俺に、七星がそう声をかける。
「言っとくけど手は解いてあげられないよ。あなたがどういう人か、ボクは知ってるから」
「…なら出ていけ」
「え」
凄んだ目をじっと向ければ、七星はわずかに体を震わせて、俺から離れた。
「…な…何さ…」
七星が部屋を出てから、俺ははぁと深い息を吐いた。
このままじゃ埒が明かない。
凛人…、あいつが俺を待ってるっていうのに…。
…ああ、畜生。頭がさっきから朦朧とする。
一体どうしたんだ、俺は。この俺が…、情けないったらねえ…。
しかし妙だな。
まさか、この部屋自体に変な薬が漂ってるんじゃないだろうな。
……体がだるい…。
俺はまた、目を閉じた。
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