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呼吸が少しずつ落ち着きを取り戻しつつある頃、俺たちはベッドの上に横たわりながらお互いの顔を見ていた。
松本の乱れた髪を撫でていると、松本の目が潤んでいることに気が付く。
「どうした?」
「……先輩の、大きすぎて痛かったです」
俺は思わず上半身を起こす。
「ああ! 悪い。気付かなかった。夢中でよく分からなくて……」
「嘘ですよ」
松本がいたずらっぽく笑う。
「こいつ」
俺は整えた松本の髪をまたくしゃくしゃにした。
次の出勤日。俺が自分の席に座ると、クルクル金髪の吉川がうつむきながら近づいてくる。
「香山さん、この前はごめんなさい」
「ん? どうした?」
「あの……飲み会で、変なこと言っちゃって」
そういえば、そんなこともあったな。今となっては遠い昔のことのように思える。
「別に、俺は何も気にしてないぞ」
笑顔で吉川に答える。
「よかったぁ」
吉川の顔が明るくなる。
「でも、でも、あんな感じでこの前の飲み会が終わっちゃって嫌なんですよ。
良かったら、良い店知ってるんで仕事終わったら飲み直しませんか?」
吉川が手を合わせて小首をかしげる。
……前までの俺なら何て答えたのだろうか?
まあ、今となってはどうでもいいことだ。
「悪いな。今日は恋人と予定が入ってるんだ」
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