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1-① ゴミ捨て場の小犬
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❁
今日は彼女とデートの約束をしている。
彼女、と言っても別に好きで付き合っている訳じゃ無い。
非常にめんどくさいがご機嫌とりしなきゃならん理由があって仕方なく維持しているだけの関係だ。
デートなんて、普通にめんどくさいと思ってる。
あの女の為に時間を使うくらいならとボイコットしたことは何回かあるけど、それでも彼女はまだまだ気が済んでいないらしい。
早く愛想尽かしてくれねぇかな、なんて思いつつ靴を履いて玄関の扉を開けた。
すると思いもよらない光景が目に飛び込んできた。
「え、これ死体?」
うちのゴミ捨て場で人が倒れている。いやまじかよ。
「おーい生きてる?」
「……。」
そっと首に手を当てて脈と呼吸を確認してみる。
あ、良かった。ちゃんと生きてんな。
とりあえず救急車呼ぶか?
「……むにゃむにゃ……ん………」
あ?
「………んん……………っ…」
こいつ寝てんのか!
なんだびっくりさせんなよ。
全く動かないもんだから本当に死んでるのかと思ったじゃねーか。
さて、こいつどうすっかな。このまま放置してても良さそうだけど。
「ん…………っ……」
ピアスは開いてねぇみたいだけどタバコの匂いがするな。ヤンキーか?じゃ関わりたくないから見なかったことに…。
って、あ?
こいつ俺んとこと同じ制服じゃねーか!うわー。尚更めんどくせぇやつ。
もしも他の人に見つかって警察に通報されでもしたら後々先生たちに厄介事頼まれんのは俺なんだっての。
「ちっ、めんどくせぇ。」
早くここから追い出してしまいたいところだが揺さぶっても頬を抓っても全然起きやしない。起きる気配すらしない。
しかも呼吸の確認で首元触ったあたりから、袖んとこの服ガッツリ掴まれてちゃってんだよな。
「……さむ…………」
はぁ。俺が風紀委員じゃなかったら確実にスルーしてたっての。
「感謝してよね〜チャラ男クン。」
仕方なく家までこの小柄なチャラ男くんを運ぶことにした。
どうせデートなんて行ってもつまんねぇし、それならこいつの世話してるほうがまだマシかもしれない。
❁
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