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1-② 介抱はノーカウント
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「軽すぎだろ…。」
とりあえず汚い制服は脱がせてチャラ男くんをベッドに寝かせる。
露になった身体は想像していたよりももっと細くてちょっと力を入れてしまえば簡単に折れてしまいそうなほど。
だが意外にも腕と脚には引き締まった筋肉がついているみたいだ。
俺ほどではないが、これは喧嘩で鍛えた筋肉だろうか。
「…ほっそい腰。こんなんで女抱けるのか?」
何か事情があるのかもしれないが、まともに食べられていないのか?
さっき親御さんに連絡しようと思って制服を探ってみたけど、スマホとか財布とかそういう類のものは何ひとつ持っていなかったし。
別に人様の家庭に首を突っ込むつもりは更々無いのだけど、貧乏とかじゃなくてもし虐待とかネグレクトだったら…。
いや、今はそんなこと考えるより目の前のこいつをどうにかしないと。
ずっと身体を見ているだけなのも失礼だし、とりあえず怪我しているところは応急処置しとくか。
「……っ…………」
アルコールがしみるのかチャラ男くんはちょいちょい顔を顰める。
だが起きる様子は無い。
顔、脇腹、太ももと至る所にできたばかりの痣と擦り傷がある。
痛々しいほど赤黒くなっているところもあり、チャラ男くんが今までどんな日常を過ごしてきたのかと純粋に心配になった。
温かい濡れタオルで全体的に拭いて簡単な服に着替えさせる。
それから脱水が気になってペットボトルのスポドリを飲ませてみた。
しかし上手く飲み込めないのか口の端からどんどん溢れ出てしまう。
「まったく、手のかかる奴だな。」
チャラ男くんには申し訳ないが口移しでスポドリを飲ませることにした。
ヤンキーだし初めてでもないだろ。
病人を相手しているようなものだから俺は別に抵抗無いし、第一介抱ならノーカウント。
「あとで怒んなよ?」
俺は早速口にスポドリを含み上手く飲み込めるようチャラ男くんの顎を固定して、ゆっくりと口に注いだ。
乾燥で少し色が霞んでいるその唇は、柔らかくて、ちょっとカサついていて温かい。
くちゅ、と生々しい音が静かな部屋に響く。
無事に補給が終わり口を離すとその唇は鮮やかな赤色に変わっていた。
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