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はじめて2
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それは今朝の出来事だった。
、
目が覚めて真っ先に目に入ったのは見知らぬ天井
それから何故か服は身に着けておらず頭に響く鈍痛と身体の違和感
いくら頭を働かせても自身がここにいる理由は全く思い浮かばず
ただゆっくりと起き上がるとずっと一人だと思っていた大きなベットに
小さなかまくらのような膨らみが視界に映った。
「…は?」
「ん、」
そう声を漏らすと膨らみがもぞもぞと動き出し、
覗いた隙間から艶やかな声と真っ白い髪をした綺麗な人が顔を出した。
、
「で?」
一通り今朝の話を聞き終えた新堂の第一声はとても冷たく呆れかえった顔をしていた。
「で、とはなんだよ!で、とは!」
「いや、捕まるって誰に?」
「え、そりゃ警察…とかだろ?」
そう答えるとはあああああ…と長い長い溜息を吐かれる。
オレだって信じたくないさ!
知らないうちに知らない人をレイプしていたのかもしれないなんて!
だってそうだろ!?
朝、見知らぬ男女が裸で同じベッドで寝ていたっことは、つまり、ヤった、ってことだよな…?
「心配して損した。」
「なんでだよ!やばいだろ!?見知らぬ人とセッ…んぐ!」
「声がでけえ」
オレは興奮のあまり大きな声が出てしまう。
しかし、何故か冷静すぎる新堂に思いっきり手のひらで口を塞がれる。
普通に痛ぇ…
「結局イイ思いしましたって話だろ、どーてーくん」
「なっ!?…んぶッ」
童貞の文字に反応してまた大声を出せばバチンと再び新堂に平手打ちの如く口を塞がれた。
だから痛えって!
「落ち着け」
「…」
コクコクと頷くとやっと手のひらが離れる。
絶対オレの口元赤くなってる…
「でもよかったな、綺麗な人で卒業出来て」
「ッ!!」
「いやなんだよその反応」
確かにこの流れではそういうことになるのはわかるのだが
オレが心配しているのは正にそこだった。
だって、それが本当だとしたら
「れ、レイプだろ…?」
「はあ?」
本人の同意なしでそんな事をしてしまって
強姦、レイプ、犯罪…刑務所…社会追放……
考えれば考えるほど悪い方にしか考えられなくて顔を真っ青にする。
そんな俺に新堂は呆れ顔で言った。
「飲んでそのままなんてよくある話だろ」
きょとん、と首を傾げれば馬鹿なの?と蔑まれる。
おい、オレだって傷つくことはあんだからな
「そう、なの…か?」
「これだから童貞は」
「ぐっ!」
何も言い返せないオレに新堂はしたり顔でそう言った。
うるせえバカ!
今まで何人かの女の子と付き合ってきたけど滅茶苦茶に清い付き合いをしてたらフラれたんだよ!
腐れ縁と名前が付くくらいにはお互いのことを知っているくせに
そんな風に言わなくてもいいだろ!
「で、”はじめて”はどうだったんだよ」
はじめてをわざわざ強調しなくてもいいだろうに
興味津々で楽しそうに話す新堂
ここまで話を聞いてもらった手前教えられる範囲でなら答えてやりたいのだが…
「どう、って…」
「なんかあんだろ、ここまで聞いてやったんだから教えろ」
「いや、どうもなにも」
頭を働かせて必死に記憶の海に思考を巡らす。
今朝の出来事は鮮明に思い出すことができる。
しかし、
昨夜のことだけぽっかりと穴が空いたみたいに
何も思い出すことができなかった。
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