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そのご4。sideーs
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この苦しい気持ちをどこにぶつければいいんだろうかと、何度も考えた。
どうすればこの気持ちを諦められるだろうかと、かき消す事ができるだろうかと、何度も何度も考えたけどその答えが出る事はなかった。
でも、今ようやく見つけ出した答えがこれなんだとしたら
きっと俺はどこまでも
甘えて生きているんだろう。
だってこの先啓斗君を苦しめて
この先無限に広がっていくであろう彼の世界に制限をかけようとしているのだから。
「…なあ、さっきから適当な返事ばっかで
本当に聞いてる?」
それまで背中を包み込んでくれていた手が離れ、
俺の肩をグイッと押す。
啓斗君の香りがふわりと鼻を掠めて
交わりあった視線の先
啓斗君は眉間に皺を寄せて
真っ赤になっていて。
込み上げるものは
もう、我慢も効かなくてどうしようもない。
「…あんま、り……っ考えらんねえんだよ、ばか…っ。」
喉がヒクヒクと痙攣して、普段のようにうまく言葉を紡げない。
気を抜けば、言葉にもならない嗚咽があふれだしそうで
「泣くの…やだ、からっ…我慢して……っのに、なんだよ……お前…っ。」
ぼろぼろと頬を伝う雫が、啓斗君の人差し指に掬われる。
それでもこぼれ落ちたものは下に落ちるよりも前に、ぬるりと湿った感触に拭われた。
「…しょっぱ。」
「っ、舐めんな…変態……っ、」
気持ちを言葉にするのは難しくて
普段から親しい奴には悪態をついてばかりの俺には、恥ずかし過ぎる。
なのに、啓斗君はこんなにもバカ正直に
気持ちそのまんまぶつけて来やがって
俺だって、負けてらんないって
されっぱなしじゃしょうに合わねえって思わせるんだ。
「……菅沼さん?」
小さく首を傾げ、どんな言葉を口にするより愛おしそうに俺を呼ぶ啓斗君に
そんな事すら見透かされているようで、少し悔しい。
「また…会えてよかった……っ、ずっと…会いたかった。」
無理やり口角を上げて、震える手はギュッと啓斗君の服を掴む。
上手く笑えているだろうか
啓斗君の気持ちに、ちゃんと応えられているだろうか。
不安で押しつぶされそうな胸に、啓斗君の手を触れさせた。
壊れそうな程うるさいその響きを、確かに感じてくれた啓斗君は
高校生らしく、涙目で思い切り破顔して
「っ、へへへ。菅沼さん俺より速い。」
その笑顔が、俺だけのものだと思えた瞬間
嬉しさが込み上げて、どうにかなりそうだった。
───そして、意識せずともわかってしまう下腹部の疼きと
それから啓斗君の主張を押し付けられる感触は
それだけで、気持ちよくて堪らなくて
だけどそれ以上の快感を知ってしまっている身体は、引き返す事などできるわけが無い。
「…恋人とするセックス、知りたくねぇ?」
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