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朝起きたら俺の愛用抱き枕が銀河系レベルの超絶イケメンに変わってました
第三話(1)
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週末の見合いの話を蹴り、俺はユーシンと某テーマパークに出かけた。さんざん遊んで疲れきった俺たちは、帰りの電車に揺られている。まもなく最寄駅に到着というところで、ユーシンが肩に頭を乗せてきた。
「おい、やめろ」
「なんで?」
「いつどこで生徒が見てるかわかんないだろ」
「生徒以外には見られてもいいの?」
「……」
いちいち切り口が鋭いのは、曲がりなりにも神だからだろうか。確かに見た目は高校生だけど、実際いくつなんだこいつ。
「嫌ではないってことだね」
「……だって俺の抱き枕だろ」
そのせいか自然と生理的に受けつけてしまっている感は否めない。
「じゃあ帰ったらいっぱい触らせてね」
「……いや、それは……」
『無理』と言おうとした瞬間、電車の扉が開いた。わざと断れないタイミングを狙われた気がして腑に落ちないまま、俺はユーシンに続いて降車した。
「お風呂先にいいよ」
「……あ、うん」
風呂の準備したの俺だしそもそも俺の家だけどね、ここ。……あ、でもこいつの家でもあるのか。ってことはこの状況って同棲?……いやいや何を考えてるんだ俺は。あいつはただの抱き枕で、明後日の朝には全てが元通り……。
「お待たせ」
「ほわァッ!?」
びっくりした。めちゃくちゃ変な声出た。いきなり裸とか……いや男の裸なんて興味はないけど、体までイケメンすぎて直視できない。
「……なんで入ってくるんだよ?」
「『思い出作ろう』って言ってくれたでしょ」
「こんな狭い風呂に男と一緒に入ったっていう思い出いる?」
「こんな狭いお風呂の中でヒロと二人きりで過ごしたっていう思い出が欲しい」
『過ごした』って、どう過ごすつもりだこいつ……。
「俺は先に上がるからゆっくり入ってくれ」
「逃げないで……ヒロ」
湯船の中で立ち上がった俺の前に、ユーシンが立ち塞がった。……生意気な体しやがって。だいたいなんで持ち主の俺よりハイスペックなんだよ?ちょっとは気をつかってくれよ。とりあえず下は見れない。
「ねぇヒロ……僕を受け入れる気がないなら、今はっきりそう言って?」
いきなりド直球とはさすが銀河級イケメン。『受け入れられないなんてあり得ない』って顔だ。
「よく考えろ」
「え?」
「……お前を受け入れたとして、そのあとただの抱き枕に戻ったお前を抱き続けることになる俺の気持ちを」
「……やっぱり嫌ではないんだ?」
「勘違いするな。生理的に受けつけざるを得ないだけだ」
「……素直じゃないな。そういうところも可愛いけど」
「……っ」
あぁ……やっぱりイケメンって怖い。顎をクイっとされただけなのに、何だろうこの未だかつてない胸の高鳴り……。
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