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朝起きたら俺の愛用抱き枕が銀河系レベルの超絶イケメンに変わってました
第五話(3)
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「……っ、何?」
俺の片脚を抱えた竜美が平然と股の間に入ってくる。何だこの恥ずかしい体勢は……。
「おい……何する気だよ?」
「……」
「……っおい!?」
えっ怖い。なんか無言でズボン脱がしてきた。咄嗟に掴んでなかったら絶対パンツも脱がされてた……。
「邪魔しないで?」
「……待て。落ち着け。怖い」
「僕は落ち着いてるから大丈夫。怖くない」
「いや、変だ。顔がいつもとぜんぜん違うし怖い」
「僕だって人間……だったから、いつでも笑っていられるわけじゃないよ」
「……でもいつもは……」
「笑ってない僕は嫌い?」
「……違う。嫌いなんて言ってない。ただ怖いだけだ」
「……じゃあ僕は……きっともともと怖かったんだ……」
「……っ……!」
もはや主演男優賞ものの演技を俺が見破れるはずもなかった。泣きそうな顔に油断した隙に、パンツを脱がされていた。まさに瞬息の間。たぶんギネス記録出た……とか思ってる場合じゃない。
「……ッ!?どこ触ってるんだよっ」
「知らないの?」
「……何を……?」
「ここにちんこ挿れてセックスするんだよ。……女の子とするときみたいに」
「……は?絶対やだ……」
「嫌なら本気で抵抗しなよ。大人の弘なら今の僕に敵うでしょ?」
「……っ……」
……やっぱり怖い。もともとこういう奴だったのか?こいつ……。
「……幻滅してるよね。でも弘がこうさせてるんだってわかってる?」
「……え……?」
「……本気で嫌がってないくせにちゃんと受け入れてくれないから……不安になる」
「……」
「弘のことが何より大切なのに……無理やりにでも犯したいと思っちゃう……」
……『無理やり』って。俺の意思はどうでもいいってことか……?
「……憐れみでも何でもいい……だって僕はもうとっくに死んでるから。……だから僕だけのものだって言って?お願い……」
……うわ、泣いた。なんで?俺のせい……?
「……ごめん……」
「……理由も分かってないくせに謝るな」
「……うん。だから……わかんなくてごめん」
「……」
「……怖い」
「……え?」
「やっぱ怖い……」
「……そうだね。弘のせいで僕はとっくにまともじゃない……生きてる頃から」
「そういう意味じゃなくて……」
「……じゃあ何?」
「……お前……そんなにカッコいいのになんで俺なの?」
「……え……?」
「俺はこの通り三十路手前の冴えない男だし、これといって取り柄もないし……だからお前に好かれる意味が分からなくて怖い……」
あの頃もそうだった。ルックスも中身も完璧で人気者だった竜美が、どうして俺なんかのそばにいるのかわからなかったし、いつか自分から離れていくんだと思うと怖かった。……そんな自分がたまらなく嫌いだった……。
「意味が分からないのはこっちだよ」
「……え?」
「……でももういいや。だってきっと何を言っても伝わらない。……誰も本気で好きになったことない弘にはわかんないよ……」
「……」
……何も言い返せない。だって実際その通りかもしれない。だけどまた竜美と離れるのだけは絶対に嫌だ……。
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