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朝起きたら俺の愛用抱き枕が銀河系レベルの超絶イケメンに変わってました
第五話(4)
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「お前の気持ちが本当なら……まだ諦めないでくれ」
「……え?」
「わかるように努力するから」
「……僕がかわいそうだから?」
「違う」
「じゃあなんで?」
「……お前のこと……好きになりたい……」
「……」
「……『好き』がどんなものかわかりたい」
「……どうして?」
「俺も……お前のことが何より大切だから」
絶対に失いたくないと思う相手なんて、俺には竜美だけだ……。
「なんだ……分かってるじゃん」
「……え?」
「それを『好き』っていうんだよ」
あっけらかんと答えた竜美が、いつものようにほわっと笑う。……あぁ、よかった。また竜美が笑ってくれて。……そうだ。俺は竜美が笑ってさえいてくれれば、他のことはどうでもいい……。
「……よかった。あと少しで完全に闇堕ちするところだった」
「お前にそんなダークサイドがあったなんて知らなかったよ」
「まぁ……弘に好かれるのに必死だったからね」
「……そっか」
「嫌いになった?」
「……いや。むしろ前より人間らしくていいと思う」
「……よかった。……っ?」
嬉しそうな竜美を見ていたら俺も嬉しくなって、つい自分からキスなんてしてしまった。
「……どうしたのいきなり」
「もっと喜ぶかと思ったけどそうでもないな」
「いや……嬉しいよ、すごく」
「でも顔が嬉しそうじゃない」
「……だってびっくりして……」
顔が赤い。こいつの照れた顔なんて初めて見た。さっきの泣き顔といいやっぱり高2だな……。
「なんかムカつくな……可愛くて」
「……弘に言われたくない」
「どういう意味だよ?」
「……でもほんとにびっくりした。頭引き寄せてキスとかどこで覚えたの?」
「……お前に影響されたんだよ」
「ふふ、顔まっ赤。可愛い」
「うるさい」
……なんだろうこの感じ。こいつといると幸せだ。これが『好き』ってことなのか……?
「想いも通じ合ったことだし、続きしよっか」
「しない。さっさとそのイチモツをしまえ」
「えっ……ヌいてくれるのもナシ?」
「お前怖いからやだ」
「……ひどい……」
「……っはは」
「……えっ?なんで笑うの?」
「お前……小5から変わってないな」
「それは弘もじゃん」
「……だな。じゃあそっからやり直そう」
「……え?」
「これからずっと一緒にいてくれるんだろ?」
「もちろん」
「なら焦らずゆっくりでいいだろ」
「……えっ……まだ焦らす気なの?どこまで生殺しの鬼なの遠野弘……」
「フルネームやめろ」
17年ぶりに幼なじみで親友の竜美と再会して、ひとつ分かったことがある。……やっぱり俺は、こいつがいないと何も楽しくない……。
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