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朝起きたら俺の愛用抱き枕が銀河系レベルの超絶イケメンに変わってました
第六話(2)
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「お前……本当に高2の勉強するの?」
「もちろんだよ。付喪神の修行でいろいろ学んだけど、まだ知らないことだらけだし」
どこまで真面目な生徒なんだこいつ……中身は変態付喪神だけど。
「弘に勉強おしえてもらえるなんて嬉しいな」
「嫌味か?」
「えっ?なんで?」
「昔は俺が教えてもらう側だったし」
「……だって僕は勉強くらいしかすることなかったから」
「……」
……なるほど。あの頃の俺はガキだったから気づかなかっただけで、こいつはもともと影ありイケメンだったんだな……。
「でも学校に行けないときも、毎日弘が来てくれたから寂しくなかったよ」
「……そっか」
「体が丈夫だったらなぁって……いつも思ってたけど」
「……もしあのまま生きてたら何したかった?」
「弘とセックス」
聞かなきゃよかった。
「僕の体が丈夫だったら駅弁も余裕なのになぁって。まぁ今はこうして丈夫な体を手に入れたわけだし、いつでも夢は叶えられるんだけどね。弘しだいで」
「お前……付喪神になるときに頭のネジどっかに落とさなかった?100本くらい」
「ネジは落としてないけど、捨てたものならあるよ」
「何?羞恥心?」
「それもあるけど、何よりプライドかな」
「……えっ?」
「弘のそばに居続けるために付喪神になったのに、弘と恋人同士になれなかったらプライドなんてなんの役にも立たない。だから捨てた」
そのせいでアブノーマルな体位を連呼するようになったのなら、是非とも持っていてほしかった。
「自分の欲望に素直に生きる付喪神になるって……死ぬ前から決めてた」
「っおい、やめろ」
いつの間にか背後に回った竜美が俺の平らな乳を揉んできた。
「どこだと思ってるんだよ?」
「弘と二人きりの密室」
言い方がおかしい。ここは特別教室……つまり校内だ。
「帰ってからにしろ」
「家ならいいんだ?」
「……」
おっと失言。俺としたことが……。
「じゃあさっさと帰ろう」
「えっ?勉強は?」
「家でもできるし」
「……絶対ちゃんとやれよ」
「うん、心配しないで。僕は弘にとって誰よりも自慢の生徒になってみせるし、東大医学部目指すし、医者になって一生弘のこと養うから」
「……期待してるぞ」
さすが竜美。養われるつもりはまったくないが、将来についてちゃんと考えてるのは感心だ。付喪神だけど。
「付喪神でも医者とかなれるんだ」
「なれるなれないじゃなくてなるんだよ」
「……うん、そうだね」
そうそう。こういう奴が英雄とか勇者になって後世に名を残すんだよなきっと。やっぱり俺とは大違いだなぁこいつは。昔から大物感漂ってたし……付喪神だけど。
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