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朝起きたら俺の愛用抱き枕が銀河系レベルの超絶イケメンに変わってました
最終話(8)
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「雄心……」
「ん?」
「……早く戻ってくれ」
「何歳に戻ってほしい?」
「……お前ならなんでもいいけど、小5だけはやめ……っ……」
……あぁ、やっぱりだめだった。どれだけ時間差でくるんだ……。
「……ぅッ……」
「……えっ?弘……?」
小5の雄心を見ていたら、雄心がこの世を去った当時は感じなかった苦しさと寂しさが、今になって押し寄せてきた。雄心の存在を忘れていた自分への怒りも……。
「……ッ……ごめん……」
膝立ちになって俺を抱きしめた雄心が、小さな手で髪を撫でてくれる。……いい大人が小5に慰められるなんて情けないけど、相手は雄心だから仕方ない。体温と匂いだけで心底ホッとしてしまう……。
……どんな姿でもいい。やっぱり俺は雄心がそばにいてくれないとだめだ……。
「あのまま生きていられたら……弘と一緒に歳とってこられたらよかったのにって思ってた。一年前までは」
「……うん」
「……でももし僕が生きてて、これまでの18年間ずっと弘と一緒にいたら、今頃はもう愛想尽かされてたかもしれないし……これでよかったんだろうなって今は思ってる」
「……」
「僕は今がいちばん幸せだよ、弘」
「……うん、俺も。……でももしお前があのとき死んでなかったとしても、今でも一緒にいたと思うよ……俺はね」
「……どうして?」
「やっぱり俺……お前がいない世界なんて想像できないから」
雄心の存在を忘れてしまっていたときも、雄心は抱き枕として一日たりとも離れずに俺のそばにいてくれた。だから俺は生きてこられたんだと、今ならわかる。
「……昔から僕を泣かせるの好きだよね、弘。ほんとはドSでしょ?」
「お前がドMなだけだろ」
「……あぁ……生まれてきてよかった……」
「……うん。生まれてきてくれてありがとう。お前の両親には一生感謝する」
「えっ?僕じゃなくて?」
「それはわざわざ言う必要もないだろ」
「……」
「ありがとう、雄心」
俺もこれから一生をかけて、お前を幸せにしてみせる……なんて、口で言えるくらいの勇気があればいいのに。三十路手前の今の俺よりも、小学生の頃の雄心の方がよっぽど大人だったのかもしれない……。
「こちらこそ。愛してるよ、弘」
「……っ!」
小さな唇がふわりと重なり、息が止まった。小5のくせに大人の俺の心拍を一瞬で爆発寸前まで速めてしまうなんて、やっぱり雄心はこの頃から銀河系レベルの超絶イケメンだったらしい。
「……はぁ、どうしよう」
「どうした?」
「勃っちゃった」
「……そうか。俺は退散するから自由に処理してくれ。じゃ」
「ひどい。せめて見ててよ」
「む……それはできない」
素早くベッドを降りて雄心に背を向ける。小5の雄心が勃たせているところなんて見たら、間違いなくトラウマになる。
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